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【第4話】雷のち晴れのち竜巻

2013.9.30

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“青天の霹靂”や“寝耳に水”はこういう時に使う言葉なんだろうな、と思います。私の通う透析室ではそんな言葉はついぞ聞いたことがなく、ものすごい衝撃に驚くばかり…導入から数年が過ぎ、透析のある生活にも慣れてきた頃のことです。 皆が4時間、血流200の透析を受け、スタッフも毎日のルーティンワークに追われている、そういう施設で時間延長をしたい!血流を上げたい!と言うと、たちまち“煩い患者”のレッテルを貼られてしまいます。

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透析を始めた時は3時間だったのが3時間半、4時間に“延長されて”いきました。そして、少し前から毎月2回の採血結果が出ると計算していた「標準化透析量(Kt/V)」の数値が、いつもよりよくない時がありました。

他の病院の友達からいつも言われていたのは“長生きしたいのなら長時間がいいよ”という言葉。それが刷り込まれて密かに時間延長を狙っていた私に遂にその時が来たのです。

ある日の主治医の回診で早速4時間半への時間延長を申し出てみると“いいですよ”と気が抜けるくらいあっさりOKが出ました。ただ、その時にどうして5時間と言わなかったのか、それだけが今も心残りです。ちなみにこの透析室で今、4時間半の透析をしているのはお一方だけです。

時間延長の経緯と同じく、今まで“血流を上げたい“と言い出した例もなかったようです。一応主治医に了承を得たとはいえ、諸手を挙げて、とは言いづらい感じがありました。採血結果が出るたびに10ずつ上げていくようにし、最終的には310まで増やすことができました。

透析条件を変える時は医師やスタッフがよく見ていてくれるとこちらも安心ですが、今回それは望めません。そのため念には念を入れて少しずつ、一歩ずつ、自分の体感とデータを照らし合わせながら上げていくことにしました。その甲斐あってか、それとも体に余力があったためかはわかりませんが、不均衡症候群もなく順調に進むことができました。主治医には“まだ上げるんですか…”と言われながらでしたが…(苦笑)自分で体験してみて“やっぱり血流は上げられるなら上げた方がいい!”という確信を得ました。

でもやはり4時間半では短い!もっと時間延長がしたい!その思いを上の人にぶつける度に跳ね返される日々が続くようになりました。思ったことを公に伝えることができなくなり、透析前に個室に呼び出されては叱責されたりすることも一度ではなく、次第に出口のない行き止まりで途方に暮れ、ただもがきながら過ごすしかありませんでした。

在宅透析を始めたり、希望が叶う病院に移るとかいろいろ道はあるのに、その時の私はもう動く力も持ち合わせてはいなかったのです。ここにいる限りはもうこれ以上のことはできないんだ、と絶望的な気持ちでした。

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はこ

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治らない病気の存在をまだ知らなかった10歳でIDDMを発症し、30年近く経って透析を導入しました。ひそかにインスリン50年賞を狙っていたのですが、ある日突然膵腎同時移植の順番が…11年の透析生活では透析条件でかなり苦悩しましたが、人に恵まれてなんとか過ごすことができました。今は移植した臓器と末永く歩いて行けるように頑張っています。