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日々精進なのですっ☆

【第1話】毎日感謝なのですっ!

2013.4.1

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この仕事を始めて早6年が経とうとしています。徒然なるままに〜といったら「適当に仕事するな!」と言われてしまいそうですが、本当に大きな力に流されるように導かれるようにして6年間働かせていただいてきました。

仕事を始めると同時に上京してきた私は向上心の裏側に寂しさと弱さが常にあって、何度も「こんなにつらい仕事辞めてやる!」と思ってきました(ダメナースです、はい・・・)。新人の頃は先輩から「こんな看護じゃ一生経ってもアンタ満足な仕事できないから」と言われて泣いてみたり、3年目くらいまでは夜勤が辛いとか言ってみたり(笑)。そんなこと、職場では全然見せないように笑顔で働いているつもりですが、長い間担当させてもらっている患者さんだとすぐに気づいて「今日はなんだかいつもより疲れてる?」とか「動きにキレがないわね」とか言われてしまいます。これでは、どっちが看られてる側なのかわからないですよね。どんなにうまく演じて新しい患者さんは誤魔化せても、担当の患者さんには勝てません。恥ずかしいなぁと思う一方で、こういうことがあるからこそ自分は職場で自分らしく在れるのだなぁ〜、ありがたいなぁ〜とつくづく感じます。

私は透析の患者さんと呼吸器疾患の患者さんの多い病棟で勤務しているのですが、どちらもつらい症状や日常生活上の厳しい制限がある治療のため、入院生活はまったく楽ではありません。修行にも近い内容の長期入院となることが多く、穏やかな性格の人が急に気性が激しくなってしまったり、明るかった人がうつ状態になってしまったりと患者さんだけでなく付き添うご家族や看護する側にとっても厳しい毎日となります。

そんな病棟で唯一の癒しの時間は、患者さんとの会話です。楽しい会話だけではありませんが、会話することでその人がその人らしい言葉を発してくださるだけで、ちょっとホッとします。初めからそう思っていたわけではなくて、最初は怒鳴られたり暴言を吐く方に対して「なんちゅー勝手な人なんだ!」「もうこっちが疲れちゃうよー!!」というようなネガティブな感情さえ抱いていました(すみません・・・)。Sさんという患者さんに出会うまでは。

Sさんは何でもできる方で、病床でも小説を書いたり絵を描いたり、私に広い世界について語ってくれたりしている「自由」という言葉がぴったりの方でした。そんな彼は3年前に一度入院してその後外来通院をされていました。去年、突然症状が悪化して、世界でも例の少ない難病と診断されて入院生活を送ることになりました。元から「超」ポジティブ思考で人が大好きなSさんは難病なんてなんのその。治ったあとのことをいつも話されていて、常に未来を向いていました。朝でも夜でも目が合うとニコっとしてくれて右手をさっと挙げて合図してくれました。誰に対してもいつも笑顔で人を褒めるのが上手で皆から好かれる方でした。Sさんの病状がいよいよ悪化して最後の頼みの綱の抗生剤が効くか否かという時期に、気が弱っていく自分を見せまいと付き添いの奥様とだけで過ごされることが多くなりました。直前までは看護師にも強い口調で話していたこともあったそうです。私はどうしても気になってこっそり訪室してSさんの手を握ると、呼吸もままならないのに薄目を開けてぎゅっと握り返してくれました。何も会話はなかったけれど、あれで私はSさんが最期までSさんらしくあって生ききったんだなぁ、私のこと大事に思ってくれていたんだなぁ〜と確信しました。

Sさんは私に病気と向き合う姿を見せて、生きるとはどういうことか、人と関わって生きるとはどういうことかを教えてくれました。笑えるのも生きているから、イライラしたり当たったりするのも生きているから。Sさんが元気な時は皆Sさんの笑顔に会うのが楽しみになり、Sさんの病室の患者さんは看護師に冗談を言えるくらい心の余裕を持てるようになりました。そのSさんの行動を心にとめて、今は毎日受け持っている患者さんとも小さな変化を共有して影響し合って今日を過ごしているんだなぁと感謝するようになりました。実は看護師よりも変化に敏感なのは患者さんで、看護師は患者さんの体ことは見ているけど、意外と看護師自身のことは患者さんのほうが良くわかってらっしゃったりするんです!そんな感じで、お互いに冗談を言いながら患者さんや同僚と一緒に笑っているときこそが、仕事していてよかったなぁと思える瞬間です。『看護とは(中略)患者の生命力の消耗を最小限に整えることを意味すべきだ』とナイチンゲールが言っています。私たちの仕事は薬を飲ませたり湿布を貼ったりすることだけではないのです。一緒に笑えるように場を作ったり言葉を選んだり、そこで患者さんからいただいた楽しい時間や癒された気持ちを共有することこそが大切な仕事だと解釈しています。こう書くと固い表現になってしまいますが・・・。要は病気があろうとなかろうと、笑って過ごせる時間が重要だと思うのです。今日も患者さんたちに少しでも笑顔が見られるように病棟の看護師全員で頑張っています!

私は今回、じんラボのコラムにこうして参加させていただいているのも不思議な御縁で、私が初めて受け持った患者さん(宿野部代表)に6年間ずっと、看護師としても人としても育てていただいて今があるのです。正直、腎臓疾患看護をやりたいからじんラボに関わりたいということではなく、どちらかというと、私はなんだかんだ言って宿野部代表はじめ一生懸命生きている方が好きで、一緒に学びたいのです。ちょっと動機不純かもしれませんが、お役にたてるように日々精進致します。やや人見知りですが、今まで出会った方もこれから出会う方も何かの御縁です。大切にお付き合いさせていただきますので、どうぞよろしくお願いします☆

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りんご

りんご

大学病院→中規模地域中核病院を経て現在透析看護に本格的に携わることを夢見て奔走中。趣味はマラソンと俳句とアート鑑賞。ペイシェントフットの宿野部代表との出会いから腎臓疾患には何かと御縁があり、看護を続けるなら「腎」だなと感じるようになりました。人とのつながりを大切にし、疾患とともに歩む患者さんの透析ライフを応援したいと考えています。まだまだ勉強中の身ですが、どうぞよろしくお願いいたします。