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【第2話】新人さんに学ぶ!

2013.6.4

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今年もやってきました。新人さんの教育期間。
私の一番苦手な「人に何かを教える」という時期です!!あー、本当に4・5月が来るのが怖かったー。(笑)

私はもともと文章力がなく、雰囲気と身振り手振りで物事を伝えてしまう「長嶋監督タイプ」なので(長嶋監督すみません)、適切な言葉での指導は鬼のような試練なのです。 幸いにも、今年の新人さんたちはみんな優秀で呑み込みが早いため、私は全然苦労なく指導させていただいていますが、実はむしろ、「すごいっ!」と学ばせてもらうことのほうが多いのです。

先日、透析をして半年ほど経過している患者さんを新人さんと二人で受け持たせていただいた日のことです。
その患者さんはいくつかの疾患を透析導入時から次々に発症してしまい、トータルで半年以上入院されている患者さんです。
だから、うちの病棟が日々ばたついているのも知っているし、自分が透析日には入浴できないことも知っているし、その日は午後だけしか浴室が空かないことも知っていました。でも彼女はどうしても「今すぐにお風呂に入りたい」というのです。(以下、リアルな私と新人さんのやり取りです)

りんご

患者さん、今日透析日じゃなかった?お風呂は危ないんじゃないのかな?

新人さん

でも、今じゃなきゃダメだっていうんです。そうじゃないともう透析しないっていうんです。

りんご

うーん、それじゃ、病室で軽く足浴とかどうかな?浴室空いていないしね。

新人さん

どうしてもお風呂じゃなきゃダメみたいです。私が付き添いして入浴だったらだめですか?

りんご

うん。透析前だからっていうリスクもあるし(血圧変動の激しい方だから)入浴はやっぱり厳しいんじゃないかな?

新人さん

・・・でも、わかってるんですけど、何とかしてあげたくて。辛そうなんです。

りんご

わかった。んじゃあ、先生に確認してお風呂に代わるケアを考えてみようか。

このような流れで新人さんと私は先生に足浴を相談して、夕方の一番遅い時間に穿刺部の止血を確認し、血圧もしっかり見ながら浴室で椅子に座ってシャワーを使って足だけ洗う足浴をしました。正直私は、ほかの透析患者さんの目もあるし、透析日にリスクのあることしなくても…、という気持ちでいました。先生も軽く足を洗う程度のシャワーならいいよ、ということだったので実施したけれども、なぜ新人さんもここまでするのかよくわかりませんでした。

私と新人さんは浴室で患者さんの足を洗いながら、患者さんのお話を聞きました。

患者さん

看護師さんたちは透析室にずっといないから知らないでしょう?
あのお部屋、消毒のにおいとか血のにおいとかですごいのよ。
私鼻が良いから特別辛〜いの。透析中に血圧も下がるでしょ?
手足は冷たくなるし、動けないし、逆に体がどうにかなりそうよ。
この先死ぬまで透析って言われた私の気持ち、わかる?
あなたたちみたいに毎日お風呂、入れない気持ち、わかる?
ごはんもまずいし、水も自由にのめないし、こんなつらいばかりの体、 いらないって思うの。
でもね、病室に帰ってきて湯たんぽ当ててもらったり、足をさすってもらったり、今日みたいにどうしようもないときには特に気持ちいいなって思うことしてもらうと、生きていてよかったなって思うのよ。
さあ、もう大丈夫。ありがとう。部屋に帰るわよ。

たった10分程度の足浴後、透析後のいつもの険しい表情は全くなくなっていて病室へ戻るとぐうぐうと寝息を立てて眠られていました。

私は、私以上に口下手な新人さんが、ちゃんと患者さんの気分の落ち込みをキャッチして、一生懸命対処しようとしていたんだなぁ〜と気づき、改めてタイミングを図っての清潔ケアの大切さを知りました。
普段何気なくやっている入浴や足浴、洗顔は入院されている患者さんにとっては「快」にあたるもので、それが満たされると治療を頑張るモチベーションになる!しかもその人に合ったリズムを考えることがとても重要!!

最近ちょっと忘れかけていた、細部まで患者さんのリズムに合わせるという看護。思い出させてもらいました。どんどん透析の患者さんが増えてきており、自己管理できない方や認知症の方もいらっしゃるため、透析を安全に実施することに集中するので精いっぱいという日が正直あります。でも、医師ではなくて薬剤師ではなくて看護師が出来るケアというものはそういうものであるから、この初心をみんなで共有して行き届いたケアができるといいなぁと思います。

春先のどたばた勤務での一コマでした★

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りんご

りんご

大学病院→中規模地域中核病院を経て現在透析看護に本格的に携わることを夢見て奔走中。趣味はマラソンと俳句とアート鑑賞。ペイシェントフットの宿野部代表との出会いから腎臓疾患には何かと御縁があり、看護を続けるなら「腎」だなと感じるようになりました。人とのつながりを大切にし、疾患とともに歩む患者さんの透析ライフを応援したいと考えています。まだまだ勉強中の身ですが、どうぞよろしくお願いいたします。