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これからシャントを作製するあなたへ

2017.8.7

文:所長

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「そろそろシャントを作りましょう」と言われたら、いよいよ透析導入が現実味を帯び、混乱し、不安に襲われるかもしれません。
しかし、シャント作製はとにかく最初が肝心です。
医療者としっかり話し合い、理解し納得したうえでシャントを作製するために、まずはシャントについてよく知ることが大切です。

シャント専門医である「飯田橋春口クリニック外部サイトへ」春口洋昭先生の連載「自分のシャントをよく知ろう! 飯田橋春口クリニック・春口洋昭院長の解説とお悩み相談」ではシャントの全てが分かります。
シャントを初めて作る方はもちろん、そうでない方も復習のつもりで、ぜひご覧ください。

また、この「これからシャントを作製するあなたへ」のために、新たに春口先生からメッセージもいただきました。


シャントとは

血液透析を受けるためには、1分間に200mL/min程度の血液を透析器に送り込みます。私たちの腕の静脈から1分間に200mL/minもの血液を取り出すことは困難なため、バスキュラーアクセス(血液の取り入れ口)を作る手術が必要です。ほとんどの患者さんが「シャント」と呼ばれる動脈と静脈をつなぎあわせて静脈を太く丈夫にしたものを上腕に作ります。


最初が肝心

最初に作るシャントは、これから始まる透析生活においてとても重要な意味を持ちます。

シャントをテーマにしたアンケートを2017年2月に行い、「今までシャントを何回作製したことがありますか」と尋ねたところ、最初に作製したシャントをずっと使用している方は、透析歴にばらつきはあるものの半数を超える57.3%でした。
しかし狭窄(静脈が細くなること)や閉塞(静脈の血流が低下して血栓ができ、血管が詰まってしまうこと)などさまざまなシャントトラブルにより、手術をして複数回シャントを作り直す方も決して少なくありません。

良い透析を受けるためには、良いシャントが必要です。初回の手術にあたっては作製箇所や手術方法をしっかり医師に確認し、きちんと理解し納得した上で作製してもらいましょう。

春口先生からのメッセージ

血液透析を受けるにはシャントを作らなくてはなりません。最初はなぜ作るのかが理解できず、どんなものなのかもイメージできないと思います。わからないことがあれば、納得がいくまで担当医や看護師に尋ねてください。最初はあまり実感がないと思いますが、血液透析が始まるとシャントはまさに「命綱」となります。ですから作ったシャントは是非大切にしてください。


自己管理の重要性

シャントに不具合があると血液透析が出来なくなります。そのため、シャントは透析患者さんにとっての「命綱」と言われています。また管理が不十分であれば、その分シャントの寿命は短くなります。
そこで、どのようなことに気をつけてシャントを管理すればよいかを以下にまとめました。


1. シャントの観察

「視る」「聴く」「触る」「腕を持ち上げる」といった観察を行うことで、シャントの流れと狭窄部位が大体わかります。「自分のシャントは自分で守る」という意識を持って、日々の観察を心掛け、何か気になることがあれば主治医、またはかかりつけのシャントの専門医に相談しましょう。


2. シャント部分を圧迫しない

通常シャント吻合部は腕時計をする位置になります。吻合部を圧迫するとシャントが閉塞する危険があるので避けるのが望ましいです。


2. 常に清潔に保つ

血液透析の際は、太い血管に爪楊枝程度の太さの針を刺します。その穿刺部から感染すると血液内に入った細菌が全身に回る「敗血症」になる可能性があります。 シャントの感染予防はとても大切です。 皮膚の状態を良好に保つ、穿刺部からの出血をそのままにしないなど、日頃から皮膚の状態を良好に保つことを心がけましょう。


シャントを長持ちさせる秘訣

春口先生は、シャントを長持ちさせるためには以下のポイントが大切だとおっしゃっています。

  • 最初に作製するシャントを上手に作って、上手に使うこと
  • 車検のように定期的に専門家に診てもらうこと

春口先生からのメッセージ

シャントを作ったあと、そこには今までの10倍以上の血流が流れます。「スリル」と言いわれるビリビリした感触があり、聴診器では大きな音がします。
長い時間血管を圧迫してしまうと血液が滞り、血栓(血の塊)ができます。ですから、長い時間肘を強く曲げたり、腕に重いものをさげたりするのは避けてください。そして1日に1回はシャントを触って、スリルがあることを確認しておいてください。

2017年8月現在、私は透析導入から30年以上経ちました。
導入初期に1度シャントの作り直しをしました。そこから今のシャントになって20年以上になりますが、幸いにして1度も経皮経管的血管形成術(PTA)をしたことがありません。
日頃から観察したり、圧迫しないといった自己管理を行い、定期的に春口先生の診察を受けることで、現在の血流量や状態を確認しているからこそだと考えています。
「日々の自己管理」と「専門医による定期的な診察」はとても大切なことです。
何か気になることがあったら、まずは通院している透析施設の主治医に伝え、すぐに診てもらうことが悪化を防ぐためにも重要です。

透析患者にとってシャントはもう1つの「命」であり大切な「相棒」です。
相棒と末永く仲良くしていくためにも、しっかり労わり、自分らしい透析ライフを創っていきましょう。

※個別の返信は行っておりません。

所長

所長
株式会社ペイシェントフッド代表。社会福祉士。透析歴29年。 14年間勤めたソニー(株)を退職後、福祉職を経て、同社を設立。 長い年月にわたり「治療を受ける」という「受け身の立場」で医療と関わってきましたが、腎臓病を経て、透析を受ける当事者として、その経験・想いを「腎臓病・透析に関わるすべての人の幸せのために」役立てられないかと一念発起し、起業しました。 「じんラボ」はみなさんと一緒につくりあげていくコミュニティです。どうぞよろしくお願いします!

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