with Kidneyプロジェクトとは
腎臓病・透析に関わるすべての人の幸せのために10年間尽力してきた「じんラボ」が、アプリなどに不慣れなCKDの当事者と腎臓を大切にしたい方を対象に、QOL(生活の質)の維持向上を目的とした
当事者主導のCKDセルフマネジメントのしくみを考えます。
腎臓病と透析をしている方向けのウェブサイト「じんラボ」は2023年4月で10周年を迎えました。10年間、治療や生活をサポートする情報やしくみを積極的に発信、提案してきました。
その中で気づいたことは、治療に積極的で自己管理もある程度意欲的にこなす方向けの自己管理サービスは複数あるものの、高齢の方などが自己管理に取り組むにはハードルが高い状況にあることです。また、もともと自覚症状が乏しいCKDにおいて、セルフケア行動の遵守率は低いとされており、自発的・積極的に治療に取り組むことができる層以外の方が簡単に使える自己管理、またはそのご家族が使える管理のしくみが必要だと考えました。ただし、コンプライアンスを厳守しすぎて生活が楽しめなくなったり、やりたいことを我慢しすぎないように、生活のリズムに溶け込む、自然に取り組める工夫などを盛り込みます。
目的と社会的役割
- ❶QOLの維持と向上に貢献
- CKDの進行抑制・重症化予防から、QOL(生活の質)の維持と向上をゴールとして、ご本人・ご家族、医療従事者全員の負担を軽減しつつゴールに向かうためのしくみづくりをサポートします。
- ❷健康管理の必要性の周知
- 原疾患がなくても加齢とともに腎臓の機能は低下し、血管石灰化や骨折のリスクも上昇するなど、透析導入を遅らせる以外にもCKDの管理はなるべく行ったほうが良い、という常識の周知と普及を行います。
- ❸健康管理への苦手意識を軽減
- 検査結果の入力などではなくファイリングのみで振り返り可能であったり、分厚い本を読破せずとも病気に対する知識や心構えなどが得られるなど、健康管理への苦手意識を軽減する役目を果たすものとします。
- ❹健康寿命の延伸に寄り添う
- 既存の「CKD管理ノート」などでカバーしきれない個々のステージや状況に合わせた情報、特にサルコペニア、フレイル、骨粗鬆症など、高齢の方のQOLを下げる因子の予防に関わる情報を充実させます。
社会的役割
医療関係者が考える、専門医とかかりつけ医の連携による継続診療に、当事者として関わる方の参加意識を高め、円滑な情報共有に貢献するしくみを作り上げます。
ビジョン・体制
当プロジェクトは、「病気があっても大丈夫と言える社会」の実現に向け、あらゆる人が立場を超えてこれからの医療を一緒に考え、創っていくためのプロジェクト、「みんなでつくろう、これからの医療 <People’s Power flow into Healthcare:PPH> プロジェクト」のビジョンに基づく、腎臓病に特化したものとします。
正式名称
腎臓病をもつ人が治療のために生活を諦めるのではなく、自分らしい生活のための治療ができるように。そして、日本のこれからの医療を素敵なものにするために、病気や資格の有無に関わらず、すべての人たちが語り合い、病気をもつ人視点の治療・薬・サービスを「あたりまえ」にすることを目指します。