with Kidney調査
回答者の属性等
※ご家族・友人・知人の方などには、腎臓病または糖尿病をもつ御本人について回答いただいています(70名中12名)。| G1〜G2 | G3 | G4 (保存期腎不全) |
G5 (透析をしている) |
糖尿病 (1型・2型とも) |
計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ~20代 | 2 | ― | ― | 1 | ― | 3 |
| 30代 | ― | 3 | ― | ― | ― | 3 |
| 40代 | ― | 2 | 4 | 7 | ― | 13 |
| 50代 | 1 | 5 | 8 | 12 | 2 | 28 |
| 60代 | ― | 5 | 2 | 11 | 1 | 19 |
| 70代 | ― | 1 | 1 | 1 | ― | 3 |
| 80代 | ― | ― | 1 | ― | ― | 1 |
| 3 | 16 | 16 | 32 | 3 | 70 |
当事者の年齢とCKDステージ
調査内容と結果
もくじ
- この調査でわかったこと
- Q1. 病気を伝えている範囲
- Q1-2. Q1で「必要に応じて伝えている」と回答した場合で、病気を伝えている範囲
- Q2. 病気を人に伝えることに関して、不安に思ったこと
- Q3. 病気を伝えたことによる相手の態度の変化
- Q4. 病気を人に伝えたことによるうれしい反応
- Q4-2. 病気を人に伝えたことによるうれしい反応で、印象に残っているもの
- Q5. 病気を人に伝えたことによるつらい反応
- Q5-2. 病気を人に伝えたことによるつらい反応で、印象に残っているもの
- Q6. 病気を人に伝える際に、伝え方が難しい、どう話したら伝わるかわからない、と感じたことの有無
- Q7. 病気を周囲の人に伝える際にやっていること
- Q8. 周囲の理解を得るためにしている工夫
- Q9. 周囲の人からの理解や支援が足りないと感じたことの有無
- Q9-2. 周囲の人からの理解や支援が足りないと感じたことで、印象に残っているもの
この調査でわかったこと
①多くの人が病気を周囲に伝えている
Q1では約9割が家族以外にも病気を伝えていました。特に透析をしている方では、半数以上が「完全にオープン」と回答しました。
②伝え方が難しいと感じたことがある方は半数以上
Q2では、「ちゃんと伝わるか心配」(36名)、「どこまで伝えてよいかわからない」(21名)、「相手の負担になるかもしれない」(17名)など、病気を人に伝えることへの不安が多く見られました。また、Q6では「伝え方が難しい、どう話したら伝わるかわからないと感じたことがある」が37名と半数を超えました。
③病気を周囲の人に伝えることで理解や配慮につながる一方、偏見や誤解も残る
Q4、Q4-2、Q5、Q5-2では、病気を人に伝えたことによる反応について聞きました。「気遣ってもらえた」「配慮してもらえた」という声が見られた一方で、「自己責任論」「偏見」「根拠のない助言」などの経験も少なくありませんでした。自由記述で「うれしい反応で、印象に残っているもの」よりも「つらい反応で、印象に残っているもの」の方が回答が多く寄せられたことも特徴的です。
④周囲の正しい理解が必要
全体を通じて、「偏見」「自己責任論」「倦怠感が伝わらない」「根拠のない励まし」は、当事者が傷つくパターンとして繰り返し現れており、周囲の人の理解を深めていくことの大切さがうかがえる結果となりました。
Q2. 病気を人に伝えることに関して、不安に思ったこと(複数回答)[n=70:回答数=109]
その他の回答
- 医師からちゃんとした説明を受けておらず、病気や自分の状態がよくわからないので、どのように伝えればいいかわからない。
- 心配されすぎる、可哀想と言われた。
- (伝える相手に)透析の知識がない、または偏見がある。
- 相手のリアクションに傷つくこともあるため。
- この先仕事ができなくなると思われるのが不安で、伝えることを躊躇した。
Q4-2. 病気を人に伝えたことによるうれしい反応で、印象に残っているもの(抜粋)
配慮・気遣い
- 食生活の変化に合わせてくれた。
- 思いやりを持って接してくれる。特に一番そばにいる夫が。
- 「無理しないでね」と声をかけてくれた。
- 信頼できる友人・知人にしか話していないので、皆、私のコンディションを気にかけて対応してくれます。
仕事・生活面での配慮
- 職場で近々入院が必要なことを伝えたら、以降いろいろと配慮してもらえた。
- 二次会に行かなくても、「まあそうだね」という感じになった。
- 「君はゴマメ※」と、体力作業を免除されたこと。
- 勤務などを決める際に、まずこちらの予定や都合を聞いてくれるようになった。
- 力を使う仕事を手伝ってくれたので、ありがたいと思いました。
- 力仕事を減らしてもらえた。
※弱者への配慮を子どもの遊びのルールに組み込んだ文化から発せられた、温かみのある言い方だと思われます。
理解を深めようとしてくれた
- いつもちょっとしたお菓子をくれる方がいたのですが、病気を伝えた後は、たんぱく質が少ないものを選んで渡してくれるようになりました。「わざわざ調べてくれたんだ」と思ってありがたかったです。
- 自分の病気を真剣に調べたり、勉強してくれるようになった。
- 同じ病気で普通に暮らしている人の例を教えてくれた。
Q5. 病気を人に伝えたことによるつらい反応(複数回答)[n=70:回答数=158]
その他の回答
- 過度な声掛けを受けてかえって疲弊する。いつも同じ言葉をかけられるのを繰り返されて困る(「気にしすぎないように」など)。
- 「いつになったら病院行くのやめるの?」って言われました。
- 「ワクチンのせいだ、打たなきゃ良かったのに」とか言われるのがとても苦痛。
- 肝臓の病気だと誤認されて、飲酒についての心配をされる。
- 吻合部の腫れを気持ち悪いと友達に言われた。寿命は10年だから、すぐ透析をやめた方がいいと言われた。
- 理解されない。
Q5-2. 病気を人に伝えたことによるつらい反応で、印象に残っているもの(抜粋)
病気への無理解・偏見
- 保存期なので、日常生活に何も支障がないと思われがち(特に妊娠・出産)。
- 「元気そうに見えるけど?」と言われた。
- 「誰だってしんどいよ」と言われた。
- 原疾患が先天性だと知ると、優しいほうへ態度を変える医師は何人もお見かけしました。若くして病気なのは、よほど自己管理ができていない人間だと思っていたようでした。
自己責任論・心ない言葉
- 「どうせ生活が乱れてたんでしょう?」と言われた。
- 「自己管理ができていなかったから病気になったんじゃないの?」と言われた。
- 自制心がない、甘えから来た病気だと言われたこと。
- 主人の父親に、自己責任論的な嫌なことを酔った勢いで言われ、疎遠になりました。
- 責めるような言葉を投げかけられた。
- 楽をしていると陰で言われた。
根拠のない治療法、病気への誤解
- 根拠のない治療法をしつこく、さも真実のように勧められる。重曹とクエン酸を飲んでいたら治るとか、ワクチンを解毒しろとか。
- 「いつになったら病院通いはやめられるの?」と言われた。
- 退院後、完治したと勘違いされた。
- 透析のことについて、「週3回よくそんなことが我慢してできるな」と言われた。「透析をしていたら旅行も行けないから、楽しみも何もないな」と言われた。
- 兄弟でも、透析で尿が出ないことや食事制限を理解できず、「好き嫌いが!」などと言われた。
人間関係・仕事への影響
- 関わってはいけないような態度を取られた。
- 病気を理由に採用できないと言われた。
- 仕事を辞めさせられた。
- 会社から差別的な扱いとなる提案を受けた。
- 集まりに呼ばれなくなった。
- 病気を伝えたことで、付き合っていた人から別れを告げられた。
- 「付き合う前に言ってほしかった。もう一緒にはいられない」と言われた。
- 「社の方針としては、これ以上特別扱いはできないから、100時間残業もこなすように」と言われた。
アウティング(本人の意思に関わらず、他人が「知られたくない病気やプライベートな情報」を周囲に話すこと)
- 本当は限られた人にのみ伝えるつもりだったが、人づてに話が広まっていき、結果としてオープンにせざるを得ない状況になってしまい、窮屈な状況に追い込まれた。
- 伝えない予定の人にまで、人から人へ伝わった。話のネタにされた。
- 腹膜透析関連で入院中に、本人がまだ頑張って仕事をしているにもかかわらず「仕事ができなくなったそうだ」と噂になっていた。悲しかった。
病人扱い・過度な気遣い
- 特に疲れてはいないのに、「電車で大変だろうから」と座らせてくれたこと。友達の優しさからの態度であるのは十分に分かるのですが、病人扱いされたようで少し悲しかったです。
Q7. 病気を周囲の人に伝える際にやっていること(複数回答)[n=70:回答数=104]
その他の回答
- すべてを伝えず、要点のみかいつまんで話すようにしている。
- 信頼できる友人・知人にしか話していないので、普通に話して質問にも答えている。
- 明るく伝えるようにしている。
Q8. 周囲の理解を得るためにしている工夫(抜粋)
病状や制限を具体的に説明する
- まずクレアチニンについて簡単に説明する。
- 分かりやすくポイントだけ話す。
- 見かけは元気だけれども、本人はつらいこともあると伝える。
- ここまではできるが、ここからは無理、などラインを提示して話をするようにしている。
- 担当医に、できること、できないこと、やってほしくないこと等の疑問点を質問し、確認する。
- ステロイドを使っていて見た目は元気なので、病気だと思われていない。「もっと働ける」と思われているので、数値でどれくらいだるいかなどを繰り返し伝えたり、難病指定を受けていることを伝えたりして、病人だと理解してもらえるようにしている(実際に難病なので)。
- とにかく病気でつらいことを常々愚痴る。食事のこと、体力のこと。
状況を見ながら伝える
- 場の話題や相手の様子など、状況を見て、伝わりやすそうな時に話すようにしている。
- 必要に応じて話しているので、それ以上のことはない。例えば、甘いものを食べる時とか、いっぱいは食べないようにしていることとか。
日常の行動で示す
- 定期的に通院の報告をする。減塩など、食事に気をつけている姿勢を見せる。
- 腹膜透析の機械を、家に来た時に見せています。
- 休憩時間などに血圧測定をしたりして、さりげなくアピールする。
- 常に腎臓が悪いと言っている。
職場での工夫
- 職場では、上司から周りに伝えてもらうようにしている。
- ともかく、早めに伝えて、仕事に支障がないようにした。
- できることはできる範囲で頑張る。
- 部署を異動した。
あえて詳しく伝えない
- 何人も抱えているスタッフを不安にさせるから、あまり病人っぽい姿は見せたくない。あえて病気のことを詳しく言わず元気に見せているので、さまざまと求められるのは仕方がないと思っている。
- 理解が得られないので話さない。または、「透析を受けていても元気に過ごせる、働ける」と伝えている。
Q9-2. 周囲の人からの理解や支援が足りないと感じたことで、印象に残っているもの(抜粋)
体調のつらさや疲労感が伝わりにくい
- 疲労感を理解してもらえない時。
- 「倦怠感」が伝わりにくいと感じています。「私も疲れている」と返されて終わり、みたいなことがよくあります。
- 疲れた時に、疲れ具合が伝わらない。
- 見た目では元気そうなので、みんなと同じ行動を求められた。
- 体調の変化が理解され難い。
腎臓病自体、治療、透析への理解不足
- 結局、腎臓が悪いとどうなるのか、が理解されない。
- 透析導入後にもかかわらず、治療により病状が快方に向かった際にありえない条件を提示された。
- 夜間の透析が終わる21時過ぎなら仕事の連絡が取れますと返答したら、「病院に行って終わりなんでしょ、何でそんな遅い時間になるの?」と不思議そうに聞かれた。
- 基本的に「週3回、1回あたり4時間以上」の透析治療が理解されておらず、勝手に予定を決められたり、透析中に電話をかけられたりすることがある。
家族の理解・家事負担
- 病気のことや体調が良くないことを伝えても、家事等々の負担は一切変わらない。家族に分担する意思がまったくない。
- 家族が食事に無頓着。
- もっと家族に病気を理解してほしい!腎臓病で疲れやすくなっていることを理解して、家事などを積極的に手伝ってほしい!
- 透析歴24年でも割と普通に生活ができているので、身近な家族の配慮がなくなることが多いです。
食事管理への理解不足
- 食事制限の話をするも、生涯にわたっての治療という意味ではなく、ダイエット程度の制限と思われてしまうため、味が濃い店や栄養成分の記載がない店を選ばれる。
- 食べられるものを何度も聞かれる。
- あまり気にしていないというか、すぐに忘れるというか、ケーキバイキングとかにも誘われる。さすがに食べ放題は事情を話して断る。自分でセーブできるカフェには行く。
- 水分摂取を制限されたり、トイレを我慢させられた。
医療者とのコミュニケーション
- 周囲の方というより、主治医からの何気ない言葉が、後ですごくもやもやして気持ちが落ち込んだことがありました。
相談先・情報の不足
- 子どものことをどこに相談に行けばよいかを聞いてもわからず、自分で調べるしかなかった。分かりやすい相談場所がない。
- 腎臓の勉強会やコミュニティが少ないから、周知されにくい。
何度伝えても配慮されない
- 特に親しい友人には具体的に病気のことを伝えているが、何度伝えても配慮してもらえない。疲れやすいと伝え、公共交通機関での移動を提案しても、徒歩で目的地まで行く、など。
- 伝えていても忘れていて、過度な体力仕事を頼まれたことが何度かあった。もちろん、無理だと理由を説明するも、嫌な顔をされた。
- これくらいはできるだろうと、できないことを理解してもらえない時がある。


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