ギラン バレー症候群
別名:
略号:
何らかの感染が先行して数週間後に急性の筋力低下と感覚障害を発症する自己免疫疾患で、炎症性脱髄性末梢神経障害が起こり、リンパ球・マクロファージの浸潤が見られます。患者の血液中に神経を構成している糖脂質に対する抗体が認められ、これが自己抗体として異常な免疫反応をして自分の神経を攻撃すると考えられています。筋肉を動かす運動神経の障害のため筋力低下と感覚障害を発症し急に手や足に力が入らなくなり、しばしばしびれ感もともなう病気です。
多くの場合風邪や下痢などの感染やワクチン接種後、1〜2週して症状がはじまり、2〜4週でピークを迎え、その後は改善していきます。症状はさまざまで、手足の左右対称の手袋・靴下型の痺れ感を特徴として、深部腱反射の低下や消失がみられます。自律神経徴候としては、著明な血圧変動、発汗低下、除脈などが見られます。重症になると、嚥下、咀嚼、呼吸に関する筋にも麻痺が生じ、寝たきりになって呼吸ができなくなることもあります。発症後なるべく早く血中の異常抗体を除去する血漿交換療法あるいは免疫グロブリン静注療法を行うと、症状が軽くなり早く回復することがわかっています。予後は比較的良好です。