溶連菌感染症
別名:
略号:
溶連菌は溶血性連鎖球菌の略で、常在菌として皮膚などどこにでも存在するよくある細菌で、リンパ球の機能を狂わせる作用があります。溶連菌による感染が溶連菌感染症です。感染部位は鼻や咽頭の粘膜、扁桃腺など上気道が一般的で、咽頭炎、扁桃炎、膿痂疹などの化膿症、上気道炎、丹毒、猩紅熱、敗血症を起こします。感染経路は咳や唾液などの飛沫感染がほとんどで、幼児や学童児など集団の中で流行することがあります。以前は溶連菌感染症で咽頭痛、高熱、発疹を主徴とする重症の場合は伝染病として猩紅熱と診断されましたが、現在では抗生物質で治ります。
溶連菌感染症は溶連菌のつくる毒素で急性期にさまざまな症状が出て、A群β溶血性連鎖球菌から急性糸球体腎炎やリウマチ熱などの病気にもつながるので注意が必要です。急性糸球体腎炎は溶連菌の感染で扁桃炎や膿痂疹になり抗原抗体反応で免疫複合体が糸球体の血管壁に沈着して起こり、血尿、浮腫、高血圧を発症します。リウマチ熱はまず咽頭炎や扁桃腺炎が起こり、皮膚の紅斑、関節痛、不随意運動、心内膜炎、心筋炎、心外膜炎が出ます。またB群連鎖球菌によっては、新生児の敗血症、髄膜炎および肺炎を起こします。