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宿野部家の食卓〜それから<栄養指導編>
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2013.5.18
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栄養指導後の取り組み
問題点がはっきりしたので、あとはそれを改善していくのみです。
まずは義母本人へ加藤先生のご提案を伝えたところ、次々と課題がでてきました。
-
「あとかけ油」
お腹(胆嚢)が心配・・・。
実は義母は胆嚢の切除手術を受けています。そのため、過度の油を摂取するとお腹をこわします。今までは「あとかけ油」をしてもほぼ大丈夫だったようですが、これ以上油の摂取量が増えると心配だという事です。 -
散歩前後のカロリー摂取
ジュースを飲むにはまだ寒い、砂糖をたくさん入れて甘すぎるものは飲みたくない・・・。 -
朝の菓子パンを2日に1回、低蛋白パンに変える
低蛋白パンは美味しくない・・・。 -
毎日食べるおやつを制限(エネルギー調整ゼリーが最適)
ゼリーは冷たいから食べたくない・・・。
油はダメ、砂糖もイヤ、朝の菓子パンとおやつは食べたい・・・、私はコストを最小限にしたい・・・、
けっこう悩みました。いろいろ考えました。
そして、治療食のパンフレットをパラパラ・・・・・。
そうして出した結論は、粉あめとマクトンゼロパウダーの導入です。
粉あめは、でんぷんを原料とした低甘味度水飴を粉末にしたもので、蛋白質やミネラルを含まず、糖質のみを成分としています。エネルギー量は砂糖と同じですが、甘さが1/3〜1/4程のため、砂糖の代わりに使うことでカロリーアップできます。
マクトンとは、中鎖脂肪酸のことで天然成分です。蛋白質は含んでいません。食べた後体に蓄積されず効率よくエネルギーとして消費されます。味にくせがなく、油っこさやにおいもほとんどないので、料理などに加えて使うことでエネルギーアップできます。
課題を整理し、取り組み始めた対策は以下になりました
- ①エネルギー摂取
-
- 粉あめ(大さじ2杯)を毎朝紅茶に入れて必ず飲む。=ルール化
- 散歩から帰ったら、しょうが茶(しょうがとはちみつで出来ており、お湯で溶いて飲む)か、ジュースを必ず飲む。=ルール化
- 週に1回体重を測定し記録する。=ルール化
- マクトンゼロパウダーを汁物、マヨネーズやソース類、卵液、調整ふりかけとともにごはんに等、可能なものに極力まぜて摂取する。
- 適度な「あとかけ油」の継続。
- おやつに時々マシュマロ(=高カロリー)を出す。
- ②タンパク制限
-
- 低蛋白ごはんを1日1回から2回にする日を極力増やす。
=めん類を減らす(週2日程度→週6日程度) - 副菜の蛋白質量が多くならないように素材に注意する。
- 主菜(肉、魚)の量を少し減らす。
- 低蛋白ミート(調整食品)を適宜活用する。
- 低蛋白ごはんを1日1回から2回にする日を極力増やす。
まずは、エネルギー不足を補うことに注力し、主菜の蛋白質は物足りなさを感じないように、少しずつ減らしています。
マクトンのおかげか、摂取を初めてまだ2週間ですが、本人いわく体調も良く、体重変動も落ち着いているようです。
月1回の定期検査の結果を確認しながら、少し様子を見ていこうと思います。
>>次ページまとめ
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