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遅咲きボクサーの闘病記〜透析を受け止め、前を向くまで

【第3話】透析導入と度重なる治療を支えた小さなプライド

2021.5.10

文:

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30歳以上のオヤジがボクシングで王者を目指すスパーリング大会「おやじファイト外部サイトへ」のチャンピオンとして戦った初の防衛戦で悔しい敗戦を喫して以来、ボクシングとは距離を置いたものの、いつかリングに上がる夢は断てずにいました。しかし透析治療と向き合うため、右ストレート(右腕)を諦める決断をしました。


脚の不調で大きく生活が変化

透析導入した頃から脚の不調が始まりました。
軽いジョギングはできても、少し続けると疲れて脚が止まってしまうのです。最初は「きっと体力が落ちすぎたのだろう」ぐらいにしか考えていませんでした。

この脚の不調は、後に糖尿病の神経障害からくる筋力低下という診断が下されるのです。しかし当時は、主治医や専門医に相談はしたものの、自分の伝え方がうまくなかったのか納得できる診断はもらえず、釈然としない日々を過ごしていました。

日に日に脚の状態は悪くなり、気がついたら歩くのもやっと、階段も登れず、杖を頼りになんとか前に進むといった状態にまで陥りました。
この辛い状態は約2年続きました。
体調が安定しないこともあって仕事を離れ、身体のだるさから人と会うことも避けるようになり、家に篭るようになってしまいました。


度重なる辛い治療を支えた、青春をかけて打ち込んだ経験

透析を始めて1年位たった頃に両足先に火傷を負いました。糖尿病からくる神経障害で両足先の感覚がほとんどなくなっており、ストーブに足があたっていたのに気づかなかったのです。
医師からは「一歩間違えれば足を切断だよ」と言われて本当に怖い思いをしました。糖尿病の患者さんがこのようなケースで足を落とすことが多いと聞くので、本当に気をつけなければなりませんね。

幸いにもそこまで大袈裟な火傷になりませんでしたが、この火傷はなかなか治らず、2年近く経つ今も治療は続いています。
そして2017年ごろに発症した糖尿病網膜症も、この火傷と同時期に症状がより顕著に現れ始めました。約3ヶ月に渡るレーザー治療、眼内注射、網膜硝子体手術など、さまざまな治療を受けました。次から次へと押し寄せる辛い状況に気持ちが押しつぶされそうになりましたが、そのようなときは、ボクシングに打ち込んだ経験や当時の心境が大きな支えとなってくれました。

特に印象深く忘れがたい経験は、遡ること今から20数年前の8月に迎えたプロ第2戦です。相手は自衛隊体育学校出身のアマチュアトップ選手でした。
「とにかく打ち負けない、スタミナ勝負だ」と心に決め、真夏の江戸川沿いを走り込みました。時に数キロのおもりを仕込んだベストを着込んで走ったのを覚えています。
これと並行してボクサーには厳しい減量もあります。トレーニングと減量を両立させるのは本当に大変なことで、自分で言うのもなんですが今思い返してもこの努力はすごいと思います!

結果は強烈すぎる右アッパーを喰らい、3ラウンドでTKO負け。しかし体が思うように動かなくなっている今、心が折れて悔し涙を流すこともありますが、青春をかけて頑張ってこれたほんの小さなプライドが自分を支えてくれています。

そして今は、肩肘張らずに透析を受け入れてリハビリに取り組んでいます。

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雄


53歳。30代の頃から糖尿病を発症。軽度の脳梗塞を経て2018年より血液透析を導入しました。私はボクシングをやってきて20代後半の頃に現役で4試合。40代に入ってシニアの大会で6試合やりました。『諦める』『受け止める』『前に進む』様々な感情を文章にできればと思います。宜しくお願いします。

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