じんラボリサーチ
【特別編】結果をどう届けた? 議員の反応は?『透析を受けている人の「就労と暮らし向き」に関する調査』について聞いてみた②
2026.10.27
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じんラボでは2026年7月、透析を受けている人の「就労と暮らし向き」に関する調査を実施しました。前回の記事では、調査の背景や結果の見方について、ピーペック理事の武田飛呂城に話を聞きました。
じんラボリサーチ【特別編】なぜ調査? 結果をどう見る?『透析を受けている人の「就労と暮らし向き」に関する調査』について聞いてみた①
今回は、この調査結果を持って国会議員を訪ねている、ピーペック代表でじんラボ所長の宿野部武志に、「うまめ」と「さまめ」が話を聞きました。
うまめ
さまめ
あっ、所長だ! こんにちは!
所長
お待たせしました! じんラボ所長の宿野部武志(しゅくのべたけし)です。
うまめ
武田さんから、所長がアンケートの結果を持って国会議員と直接会っているって聞いたよ。
所長
そうなんです。これまで患者会の活動で国会議員と面会したことはあったのだけど、ピーペックでの取り組みについてじっくりお話しするのは今回が初めてだったので、最初は緊張しました。
さまめ
いわゆる「ロビー活動」「ロビイング」って呼ばれる活動だよね。で、話してみてどんな感じだったの? 教えて!
所長
今回は、ピーペックが準加盟団体となっている、国会議員との面会の経験も豊富な一般社団法人日本難病・疾病団体協議会(JPA)の協力のもと、面会の機会をいただいています。
10月19日時点で5名の議員さんと面会ができていて、皆さん本当に真剣に耳を傾けてくれました。

所長
医師の議員さんもいらっしゃって、「透析」という言葉自体は皆さんご存じだったけれど、具体的に透析にかかる時間や、就労の難しさ、世帯の経済状況については、質問も多くいただきました。関心を持たれていることが感じられて、とても嬉しかったです。1時間以上じっくり向き合ってくれた方もいました。
うまめ
そうだったんだね!
設問数も多いアンケートだったけど、どこにポイントを絞って伝えたの?
所長
大きく2つあって、1つ目は「就労」についてです。
透析は週3回、1回あたり4~5時間かかる治療であり、通院時間も含めると時間的制約が大きく、就労そのものが難しいことが挙げられます。さらに、就労している人の半数近くが夕方以降(夜間)に透析を受けています。しかし、夜間透析に対応している施設は限られているうえ、施設の縮小・廃止も報告されています。このような働くうえでの困難性について伝えました。
そしてもう1つは、回答者の53.8%が世帯年収400万円以下という「経済的な実態」についてです。
さまめ
なるほど。議員さんが特に注目していた点はあった?
所長
今話した、就労を続けるために夜間透析を選ぶ人が多い一方で、夜間透析をやめる施設もあるといった現状についてですね。
これは私自身の経験と重なる部分もあるのだけど、新卒でサラリーマンをしていた14年間は、平日の2日間は遅くとも17時に退社して、18時から22時まで透析をしていたんだ。働き続けられたのも、夜間透析をしている施設が通勤圏内にあったからなんです。
また、80.8%の人が透析を理由に就労上の不利益を経験しているといった結果には、驚いている議員さんがいました。
うまめ
勤務日数や勤務時間を減らしたり、退職したり、昇進を見送ったりといった経験が挙げられていたよね。
透析を続ける中で経験した就労上の変化
※「透析による影響は特にない」と他の選択肢を同時に選んだ2名は、回答が矛盾するため除外し、219名を分母とした。
さまめ
アンケートの自由記述欄にも、体験を書いてくれた人がいたね。
「透析導入後、仕事が続けられず今春退職した。年金受給は来年なので、現在収入は無い。預貯金を切り崩している」「体調が悪くてしんどい時、何もしてないのになんでそんなに疲れてるの? みたいなことを言われることがある」
といった回答があったよ。
所長
どれも深刻な課題と悩みですね。議員の皆さんには、まとめた数字だけでなく、それらの生の“こえ”もお渡ししています。
それと、この5年間で生活が苦しくなったと回答した人が半数以上いたことも、面会で注目された点でした。
また、そもそも今回、財政制度等審議会の建議で、特定疾病の制度について見直しの必要性を含めた検討が求められたこと自体にも、驚いていた議員さんが何人もいました。
うまめ
そうだったんだ! このアンケート結果を伝えたうえで、議員さんにお願いしたことは何?
所長
お願いは2つあって、
1つ目は、「拙速な一律引き上げは、行わないでください」ということ。
80.8%が就労上の不利益を経験し、経済的基盤が限られる人や、ひとり暮らし・配偶者のいない人も多い透析患者への一律の負担増は、治療の自己中断(命のリスク)と生活崩壊を直接招きかねないからです。
所長
2つ目は、
「負担増より、『就労と自立』『予防』への投資を」ということ。
体力・時間的制約やスティグマ(差別や偏見)に配慮した柔軟な働き方への支援と、透析に至る人を減らす慢性腎臓病(CKD)対策こそが、支え手を増やし医療費を抑える本質的な打ち手だと考えています。
以上の2つを伝えて、議員の方々の考えを伺いながら、今後に向けた意見交換も行っています。
さまめ
国会議員との面会はこれからも続けていくの?
所長
うん。続けていきます。これまでは国会閉会中のタイミングだったのだけど、引き続き面会を続けて、221名の“こえ”をもっと伝えていこうと思ってるんだ。
面会の模様は、ピーペックのサイトで随時ご報告していきます。議員さんに渡している要望書も掲載しているので、ぜひ多くの人に見てもらいたいです。
うまめ
さまめ
わかった! 僕たちも、多くの人に読んでもらえるように伝えておくね!
所長
ありがとう!
今回、緊急で実施したアンケートでしたが、221名もの方から回答をいただき、“こえ”を集めることができました。今後も、こうした“こえ”を届ける活動を続けていきます。
ご回答や拡散などでご協力くださった皆さまに、改めて感謝申し上げます。
「しゃべルーム」で、経験や気持ちを話してみませんか
じんラボの会員コミュニティ「しゃべルーム」に、本調査に関するトピックを立てました。透析をしている人の就労と暮らし向きについて、ご自身の経験や気持ち、この記事を読んで感じたことなど、引き続き“こえ”をお聞かせください。
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