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透析になって改めて知った食事の大切さ

【第3話】多忙な生活で数値が悪化、私も透析に

2024.4.8

文:美峰

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栄養士イメージ

父が倒れ、多忙な生活に

私が慢性腎炎とわかってから25年程経った年の4月に、父が倒れて介護状態になりました。しばらくは、母と協力して自宅で介護をしていましたが、幸いにも入れる施設があり年明けの1月からお世話になることができました。しかし、月曜日から金曜日は仕事をこなし、土曜日は母の透析の付き添い、日曜日は母を連れて施設の父との面会、その合間に買い物をしたり、父の家での役割まで私が一手に引き受けることになったので、身体を休める暇のない生活になりました。

ずっと2.0ほどで安定していたクレアチニン値は、一気に5.0にまで上がっていました。最初は体調にあまり変わりはありませんでしたが、8月を過ぎる頃になると段々とだるさが現れ、夜中に吐いてしまったりと少しずつ尿毒症の症状が出てきて動けなくなっていきました。その頃には、先生から「外来の予約に関わらず、具合が悪かったらいつでも病院に来るように」と言われていました。それ程に症状は悪くなっていたんだと思います。

仕事は何とか行っていましたが、土日はその疲れからか起き上がれず、食事をとる気力もなくただ寝ているような生活が続き、20kg近くも体重が落ちてしまいました。9月に入ると気力・体力ともに無くなり「もう限界」というところで病院に行ったら、検査の結果はクレアチニン値 9.0で、入院するように言われました。

外来で透析室の看護師長さんから「透析をすると楽になるからね」と声をかけていただきましたが、その時はだるさであまり考えることもできず、「私も透析になるんだな」とぼんやり思いながら家で入院の準備をしました。


シャント手術が間に合わない!

急激に病状が悪化したためシャント作製手術をしていなかった私は、首からカテーテルを入れて透析をすることになりました。以前、外来で先生から「シャントが間に合わなければ首からカテーテルを入れるんだよ」と言われ、私は「え〜嫌ですね〜」なんて冗談で軽口をたたいていましたが、いざそうなると、早く透析をして体の辛さから楽になりたい気持ちと、首元の自分から見えない所で何をしているんだろという怖さでドキドキしていました。

カテーテルを入れたらすぐに透析が始まりました。母の付き添いでなんとなく見ていた風景でしたが、いざ自分がそうなるとなんとも不思議な感じで、ベッドに横たわりダイアライザを見ては「この棒みたいなやつは何だろう?」などとキョロキョロしつつ、3時間の透析を受けていました。

初めての透析が終わり先生に声を掛けられましたが、何を言われたのか覚えていないくらいぼわっとしていたような気がします。

母と日程を合わせるために翌日も透析をしたので疲れがありましたが、体のだるさは抜けたような感じもしていました。先に母が透析になっていて様子を見ていたのと、私自身は何もわからないまま透析になったので、透析に入るのが嫌だとか大変そうだとかマイナスな気分ではありませんでした。むしろ夜中もしっかりと眠れたり、食事が食べられるようになって体が楽になって良かったという気持ちの方が大きかったです。

無事にシャント手術も終わり、1ヵ月ほどの入院生活の中で治療食の薄味に慣れたり、出される食事を写真に撮りながら「こんな食事をしたらいいんだな」と改めて確認しました。また、退院前の栄養指導で管理栄養士さんから食材の分量が書かれた細かな献立表を一週間分もらえたことも心強かったです。

次回は、透析生活と食事療法の話です。

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美峰

美峰
新潟県在住。透析3年目です。
栄養士の資格を取り、学校栄養士として働いていましたが、慢性腎炎が判明。地元で治療に専念する為に退職し全く違う仕事をしていましたが、両親の介護が続いて急激に悪化して2020年に透析になり、その仕事も退職。現在は食生活改善推進員や福祉ボランティアをしています。音楽が好きなのでピアノやドラムを習っています。

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