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【第11話】39歳主婦の高校生

2015.11.26

文:オルカ

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【2014.09.10掲載】

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透析になってもいつか離脱できるはずと思っていましたが、いい加減1年も続ければこれは離脱はできないんだろうなと気づき始めます。

マーフィーのゴールデンルール(※マーフィーの黄金律ともいう。ジョセフ・マーフィーは精神法則の権威であり、特に潜在意識の活用に関する著書で有名)に心酔している私は、ネガティブワールドにハマる度に「よい事を思えば良いことが起き、悪いこと思えは悪いことが起きる」を思い出してネガティブな思いを打ち消していました。

第8話「透析ってなぁに、私はどうなるの? 」で、妊娠は諦めてくださいと言われたときはショックでしたが、その前に緊急で運ばれて病気が発覚したとき、実は「これで私は、頑張らなくても許されるんだ」って、心のどこかで楽になった気持ちもありました。それは物事のよい点に焦点を当てるゴールデンルールが身についていたからばかりではなく、実際に何か追い詰められていたものから解放された感覚がありました。

透析生活も慣れてくると自己管理もできるようになり、体調も落ち着いてきて同じクリニックの方から「腎友会」なるものを教えてもらいました。そこで気持ちを共有できる仲間ができて、病気に対する気持ちも安定してきました。

透析の時間は確かに片腕が自由にはなりませんし、ベッド上で過ごさなければなりませんが「私が私のために、誰にも邪魔されず堂々と使える唯一の時間」とも言えます。そして、私は本を読むようになりました。

そんな透析中に読んだある本
「シーラという子 虐待されたある少女の物語」
(トリイ・ヘイデン著 早川書房 →アマゾンで見る
が、その後の私の人生に大きく影響を与えました。

透析になって社会のお荷物になっているセルフイメージが心のどこかにあって、私も誰かの役に立ちたいと、何かできることがないかを求めていた私の心にストーンとハマった一冊でした。

「身体はボロボロかもしれないけど精神は健康(? )だし、メンタルケアはできるんじゃないの? 」

誰かのメンタルケアがどれだけ大変な仕事なのかはその時は思いもせず、やりたい事が見つかった私は、心理カウンセラーを目指すようになりました。

そしてその後に読んだ、
「24人のビリーミリガン ある多重人格者の記録」
(ダニエル・キース著 早川書房 →アマゾンで見る
「失われた私 多重人格・シビルの記憶」
(フローラ・リーラ・シュライバー著 早川書房 →アマゾンで見る
「ジョニーのなかの400人」
(ジュディス・スペンサー著 早川書房 →アマゾンで見る
などを読み進めるうちに、心理学に強い興味を持つようになりました。

「心理カウンセラーになりたい」「心理学を学びたい」というこの思いは、どんどん揺るぎないものとなりました。
※ここでの話はインタビュー記事『同じ気持ちになれるから私たちは支え合える』でも詳しく話しています。合わせてご覧ください。

さぁ!! 心理学を学ぶために大学へ行こう!!と思ったら
「あ(;´д`)! 私は、高校中退したんだった」と思い出し慌てて、透析しながら行ける高校を探しました(笑)

実家近くの県立横浜平沼高等学校には、通信制があって授業のカリキュラムを調べるとスクーリングにはなんとか通えそうなスケジュールだったので出願申込をしました(^^)

通信ですがちゃんと面接もありました(^^;)
オルカこの時、39歳主婦。ドキドキの面接風景です♪

県立平沼高校の1クラスに、30名ぐらいの10〜40代ぐらいの男女が順番を待っていました。先に面接を受けた人が、次に入る人を促すシステムだったように記憶しています。前の人が私を促すときに顎で指図したことが感じ悪かったので、私は「○○番の方、どうぞ」とエレベーターガールのように促したのを覚えています。

別の場所にある面接室には、同年代の男性面接官と60代ぐらいの男性面接官が二人いました。

ニコニコしながら面接室に入るオルカに面接官は、一般的な志望動機を聞き最後に、

面接官 「どうして、前の学校をやめたのですか? 」と聞きました。
オルカ 「…20年以上前なので…ちょっと記憶の整理が…」
と言い終わらないうちに、
面接官 「あ、ま、いっかもう、昔の話ですからね…あはは」
オルカ 「あはは…そうですね〜」
という感じでなごやかに面接が終わり、無事に高校生活が始まりました。

高校生活は久しぶりの座学や体育の授業で、10代とか20代の子達とふれあうことができて楽しかったです。目標があって行ったのでオルカはとても真面目に高校生活を送り、札付き中学生だったオルカからは考えられないような優秀な成績で卒業しました。

卒業式では、仲良くなった小学校の男の子を女手ひとつで育てている友人が「卒業生の言葉」を述べ、式が終わった後に有志で先生を囲んだお食事会をしたりと、通学生とは違い派手なイベントではないですが味わい深いものでした。

さぁ、これで、ようやく心理学を学べる準備が整いました。
次は、どんな世界がオルカをまっているのでしょうか?

すいませんm(__)m まだ、つづく…。

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オルカ

オルカ
30代前半で透析導入して、透析中に読んだ本がきっかけで心理カウンセラーを目指し39歳で一念発起。
再び高校へ通い心理系の大学を卒業した後、カウンセラー養成講座を経て49歳のときに念願のカウンセリングルームOruka’s roomを開設しました。ブログを書いてます。

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