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【第49回】ME? CE? 臨床工学技士のお仕事
2025.8.5
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昨年2024年春に部署異動で透析室勤務に戻り、慣れ親しんだ透析室の看護助手として日々ドタバタしながら勤務に励んでいます。透析室では日々、血液透析、血漿交換、血液吸着療法など、さまざまな治療が行われ、患者さんの状態の監視やケアを行っています。さて、そんな透析室で重要な仕事をされているのが「臨床工学技士」です。
ドラマでも活躍する専門職
かつては臨床工学技士と看護師の区別がつかず、患者さんからは「看護師さん!」や「スタッフさん!」と呼ばれることが少なくありませんでした。しかし近年では、医療ドラマで技士が重要な役割で登場したり、私の職場のように技士と看護師でユニフォームのデザインが異なるなど、その存在が可視化されてきたことで、患者さんにも臨床工学技士という専門職が透析室にいることが理解されてきたように感じます。
20年以上前に透析を導入した私の記憶だと、臨床工学技士は「MEさん」と呼んでいたような気がして、ウチの技師長さんに聞いてみました。以前はME(Medical Engineer)が一般的な呼び方でしたが、現在は国際標準に合わせたCE(Clinical Engineer)が推奨されているとのことでした。
透析患者から見ると、技士さんは透析室での透析コンソールのチェックなどが主な仕事と思われがちですが、実は非常に幅広い業務を担当されています。
臨床工学技士の仕事
生命維持にかかわる機器の操作
人工呼吸器、人工心肺装置、血液浄化装置(透析装置)などの患者の生命維持に不可欠な医療機器の操作、メンテナンスを行います。
医療機器の保守点検や管理
人工呼吸器、心電図モニター、輸液ポンプ、シリンジポンプなどのさまざまな医療機器の保守整備業務を行い、安全に使用できるよう管理しています。また、病院施設内の医療機器の一元管理を行い、必要部署への貸出、返却後の点検清掃、必要によっては修理なども行っています。
このほか、ICU(集中治療室)での機器管理、不整脈治療における機器操作など専門的な機器の操作や点検も行います。つまりは、医療機器のプロフェッショナルであるということです。
ちなみに血液透析時の穿刺については、本来であれば医師や看護師が行う医療行為であり、臨床工学技士は原則として行うことができません。しかし、透析室内では厚生労働省が認める特例行為として実施が認められています。個人的には技士さんに穿刺される方が痛みも少ないことが多いような気もしますが、それは気のせいですよね?どっちにしても痛いんですけどね…。
看護師とは扱う専門分野が違うと理解すると、透析室内での動きなどの意味や、それぞれの役割の関係性が分かってきますし、多くの人に支えられている透析医療を知ることができるのではないでしょうか。
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