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「健康に良い」が腎臓には逆になることも?
食品・食事パターンとの付き合い方
2026.8.17
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一般的に「健康に良い」とされている食事や習慣は、多くの場合、腎臓にもプラスに働きます。ただし慢性腎臓病(CKD)では状態によっては、その“良いはずのもの”が負担になることがあります。
この記事では、「一般的な健康メリット」と「CKDでの注意点」を並べて、どのような場合にメリットがリスクに変わるのかを整理します。
健康に良いがCKDでは注意が必要な食品
この一覧は、食品の「良い/悪い」を決めるものではありません。
塩分・水分・カリウム・たんぱく質などの摂取量の調整が必要ない段階では、健康的な食品を必要以上に避ける必要はありません。食事量の調整を意識しすぎてエネルギー不足になると、体は筋肉を分解し、エネルギーとして補おうとします(異化作用)。体力低下を防ぐためにも、十分なエネルギー摂取と筋肉の維持が重要です。
ラベルの意味
これらのラベルは、偏った摂取により「何が体に起きる可能性があるか」を示しています。
| ラベル | 意味 | 体への影響 |
|---|---|---|
| 塩分 | 塩分の増加 | 血圧の上昇、むくみの原因になる |
| 高K(カリウム) | カリウムの増加 | 血液中のカリウム濃度が上がり、不整脈のリスクを招く |
| 高P(リン) | リンの増加 | 骨がもろくなる、血管が硬くなる(石灰化)原因になる |
| 水分負荷 | 水分の増加 | 体内に水分が溜まり、むくみや息切れ(心負荷)につながる |
| 電解質 | バランスの変化 | ナトリウムやカリウムの均衡が崩れ、体調に影響する |
| 腎負荷 | 腎臓への負担増 | 血液をろ過する糸球体の負担が増え、腎機能低下を早める可能性がある |
玄米・全粒粉
- 一般的なメリット
- 食物繊維・ビタミンが豊富で生活習慣病予防に有効。
- CKDでの注意点
- 白米や精製小麦に比べ、リンやカリウムが多い場合があります。
トマトジュース
- 一般的なメリット
- リコピンによる抗酸化作用、血圧対策。
- CKDでの注意点
- カリウムが濃縮されているため、カリウム摂取量の調整を指示されている場合は注意が必要です。
積極的な水分補給
- 一般的なメリット
- 脱水予防、血流の維持。
- CKDでの注意点
- 尿量が少ない場合や水分摂取量の調整が必要な場合は、むくみや心臓への負担につながることがあります。
ほうれん草・青菜類
- 一般的なメリット
- ビタミン・食物繊維の補給。
- CKDでの注意点
- カリウムが豊富です。カリウム摂取量の調整を指示されている場合は、「茹でこぼし」などの調理法や摂取量に工夫が必要です。緑の葉物類に偏らず淡色野菜も取り入れましょう。
バナナ
- 一般的なメリット
- 手軽なエネルギー補給、便秘解消。
- CKDでの注意点
- カリウムが多いため、血清カリウム値が高い場合は注意が必要です。
青汁・スムージー
- 一般的なメリット
- 手軽な野菜不足の解消。
- CKDでの注意点
- 生の野菜や果物を濃縮しているため、自覚がないままカリウム摂取過多になりやすい傾向があります。
スポーツドリンク
- 一般的なメリット
- 発汗時の迅速な水分・電解質補給。
- CKDでの注意点
- 日常的な飲用は、ナトリウムや糖分の摂りすぎにつながります。
プロテイン・赤身肉
- 一般的なメリット
- 筋肉量と基礎代謝の維持。
- CKDでの注意点
- たんぱく質の過剰摂取は、腎臓の糸球体への負担(過剰ろ過)を高めることがあります。
代替塩
- 一般的なメリット
- 塩分(ナトリウム)のカットに有効。
- CKDでの注意点
- 塩化カリウムが使われていることがあり、カリウム負荷につながる場合があります。
サプリメント
- 一般的なメリット
- 食事で不足しがちな栄養素の補助。
- CKDでの注意点
- 腎臓の機能が低下している場合、マグネシウムやカリウムを含むサプリメントの摂取は、電解質バランスの乱れ(電解質異常)につながることがあります。
健康的な食事パターンとCKD
健康に良いとされる食事パターンは、基本的には腎臓にとってもプラスになる要素を多く含んでいます。
ただし、CKDでは一部調整が必要になることがあります。
地中海食(Mediterranean Diet)
- 概要
- 野菜、魚、オリーブオイルを優先する食事パターン。
- 一般的なメリット
- 抗酸化作用が期待され、心血管の健康維持や体重管理に効果的。
- CKDでの注意点
- 野菜や果物が多く、カリウム摂取量が増えやすいため、カリウム摂取量の調整を指示されている場合は注意が必要です。
伝統的な日本食(Traditional Japanese Diet)
- 概要
- ごはんを中心に、魚、野菜、大豆製品を中心とした食事パターン。
- 一般的なメリット
- 低脂質で栄養バランスが取れ、心血管疾患の予防や寿命の延伸に寄与することが示されています。
- CKDでの注意点
- 味噌、醤油、漬物、練り製品など、塩分が多くなりやすい点に注意が必要です。
DASH食(DASH Eating Plan)
- 概要
- 血圧を下げる栄養素を積極的に摂り、血圧を上げる栄養素を控える食事パターン。
- 一般的なメリット
- 高血圧予防・改善に加え、健康維持やメタボリックシンドローム対策としても非常に効果的。
- CKDでの注意点
- カリウム・リンの摂取量が増えやすいため、摂取量の調整が必要な場合があります。
高たんぱく食(High-Protein Diet)
- 概要
- 筋肉維持やダイエットを目的とし、たんぱく質の摂取比率を高めた食事パターン。
- 一般的なメリット
- 筋肉量の維持、代謝アップ、満足感の向上。
- CKDでの注意点
- 腎臓の糸球体への負担(過剰ろ過)を招く可能性があり、腎臓の機能低下の段階によっては摂取量の調整の優先順位が非常に高くなります。
プラントベース食(Plant-Based Diet)
- 概要
- 植物性食品中心の食事、または主に植物由来の食品を摂取する食事パターン。
- 一般的なメリット
- 心臓病の予防や改善、コレステロール値の改善、血圧の低下などの生活習慣病予防に有用。
- CKDでの注意点
- カリウム・リンの摂取量が増えやすいため、摂取量の調整が必要な場合があります。
北欧食(Nordic Diet)
- 概要
- 主に植物性の食品と魚・ナッツを中心に摂取する食事パターン。
- 一般的なメリット
- 抗酸化、心血管系の健康や体重管理に効果的。
- CKDでの注意点
- 全粒穀物や果物が多く、カリウム・リンに注意が必要な場合があります。
健康に良いとされる食品や食事でも、CKDでは「何をどれだけ摂るか」でメリットがリスクに変化する可能性があります。ただし、必要以上の調整や制限は逆効果です。
状態に応じて調整しながら、さまざまな食品群をバランスよく食べることが大切です。
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参考
- 長寿科学振興財団 健康長寿ネット「地中海食の特徴」(2026/6 アクセス)
- 文化庁「和食:日本人の伝統的な食文化」(2026/6 アクセス)
- 農林水産省「『日本型食生活』のススメ」(2026/6 アクセス)
- 農林水産省 フードテック官民協議会「フードテックをめぐる状況」(2026/6 アクセス)
- National Heart, Lung, and Blood「DASH Eating Plan」(2026/6 アクセス)
- Nordic Council of Ministers「Nordic Nutrition Recommendations 2023」(2026/6 アクセス)
- ナショナルジオグラフィック「睡眠の質や長寿にいい「北欧式ダイエット」、上手な取り入れ方は」(2026/6 アクセス)
- WebMD「High-Protein Diets: Do They Work?」(Reviewed by Brunilda Nazario, MD)(2026/6 アクセス)
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