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重複障害と透析

【第3回】目が悪くなると虫歯になりやすい~40代で入れ歯になってしまった孝さん~

2024.6.3

文:ミーナ

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    毎年6月4日~10日は「歯と口の健康週間」

    毎年6月4日~10日は「歯と口の健康週間」です。
    腎臓病患者さんの中には、骨代謝異常があったり、ステロイド系の薬剤の長期使用で骨がもろくなっている人もいるかと思います。また、免疫力が低いことで虫歯になりやすかったり、口の乾燥や口の中の衛生状態が気になる人も多いのではないでしょうか。
    目が悪い人も、口の中の衛生を保つのが難しく、さまざまな理由で虫歯になりやすくなります。
    しかし、虫歯や歯周病をそのままにすると、食事などに関して不自由なだけではなく、全身の健康にも悪影響を及ぼします。

    今回は、40代で入れ歯になってしまった孝さんの話を参考にしながら、目が悪い人がなぜ虫歯や歯周病になりやすいのか考えてみましょう。


    歯が欠けたのに痛くない!? 40代で入れ歯になってしまった孝さん

    孝さん(仮名)は弱視の男性で、当時40代。もともと甘いものが好きでよく食べていましたが、目が悪くなってきてからは少しずつその量が増えていきました。ずっと続けていた仕事ができなくなった無力感、好きだったゴルフや釣りができなくなってきたいら立ちなど、目が悪くなってきたことへのストレスを紛らわすように、甘いものを貪るようになってしまったのです。それでも体の方はいたって健康で健康診断でも特に異常はなかったので、体のことなど気にすることなく、毎日食事替わりに甘いお菓子やら菓子パンやらを食べ続けていました。

    ある日、カリッと口の中で嫌な音がして、舌の上に異物感を感じました。急いで口の中のものを吐き出してみると、その中にはなんと欠けた前歯が混じっていたのです。恐る恐る舌先で前歯を触ると、上の歯の一部がしっかりと欠けていました。痛みはありませんでしたが、このままでは食事がしにくいし、何よりも「痛くない」ということが不気味だったので、孝さんは翌日すぐに歯科医院に行きました。医師からは、欠けた前歯はひどい虫歯であり、痛みがないのは歯の神経も虫歯菌にやられて死んでしまったからだと診断されました。虫歯は計10本も見つかり、歯周病もあることがわかりました。10本のうち治療が可能な虫歯は7本で、欠けた前歯を含めた3本は歯を抜いて入れ歯にしなければならないと言われたそうです。
    まだ40代だった孝さんは、入れ歯にかなり抵抗感がありましたが、このまま放置すると虫歯菌が血管を通じて脳や心臓へ行って悪さをするかもしれないと説明されて、しぶしぶ納得したのだそうです。

    甘いものを食べすぎて虫歯に、イメージ

    孝さんのように、甘いものを食べ過ぎて虫歯になることは目が悪くなくても起こりうると思いますが、目が悪くなってくると鏡を見ながらの歯磨きができないので、歯を磨くのが下手になってしまいます。そのため、口の中の衛生を保つのが難しくなり、特に甘いものを食べる習慣がない人でも、虫歯や歯周病などにかかりやすくなります。

    ではどうしたら良いのでしょうか…。
    まずは当たり前ですが、食後の歯磨きは必ず行うことです。歯ブラシ以外にデンタルフロスを1日1回は使用すると、ブラシで落とし切れなかった歯間の汚れを落とせます。そして間食は控え、甘いものが食べたければ食後のデザートとしていただくのが良いでしょう。また、普段飲むものもジュースではなくお茶や水にするなど、できるだけ虫歯や歯周病をつくらないように気を付けることが重要です。そして、かかりつけの歯科医院で定期的な虫歯や歯周病のチェック、歯石取りなど口の中のお手入れや歯磨き指導をしてもらうと良いでしょう。

    さて、今回は目が悪い人の虫歯や歯周病対策の話をしましたが、いかがだったでしょうか。腎臓病患者さんは健康な人に比べて免疫力が低いため、たかが虫歯や歯周病と侮っていると、それが引き金で他の別の病気になるリスクも考えられます。また、普段からステロイド系の薬を常用している場合は骨がもろくなりやすいため、歯を支える歯槽骨も弱くなることがあります。普段から口の中のお手入れや点検をしっかりやり、虫歯や歯周病にならない・放置しないように気をつけましょう。


    障害者歯科の利用について

    歯科イメージ

    ところで皆さんは、「障害者歯科」という言葉を聞いたことはありますか? 大学病院や大きな総合病院では標榜していることもあるのですが、まだまだそれほど多くはないのが実情です。
    障害者歯科とは、一般の歯科医院で対応困難な重度の障害のある方や、難病患者の口の中のお手入れと歯科治療を行うところです。

    障害者歯科の対象となる患者さんの特徴としては、以下のような例があげられます。

    • 知的障害や精神障害、認知症などのために、待合室で静かに待つことや歯科診療中にじっとしていることが難しい
    • 視覚、肢体、知的障害のために自宅での歯磨きなど、口の中の手入れが十分に行えない
    • 視覚、聴覚、知的障害のために医師や看護師とうまくコミュニケーションがはかれない
    • 内臓疾患、難病のために使えない薬などがあって一般的な方法で治療できない
    • 出血傾向、免疫力が低いなど、健常者に比べて治療自体にさまざまなリスクがある

    透析患者さんも、さまざまな全身の合併症がある中で一般の歯科医院にかかるのが難しかったり、治療を断られてしまったという方もいるかもしれません。そうしたときには、障害者歯科の受診を考えてみるのも一つの方法です。

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    ミーナ

    ミーナ
    1990年9月生まれです。生まれつき、先天性緑内障という目の病を持っており、幼い頃から弱視で現在はほとんど見えていません。腎臓は2017年に急な体調不良から緊急透析導入となり、今に至ります。原因は不明です。視覚と腎臓の重複障害ですが、日々楽しく生活しています。
    趣味は読書で、4時間の透析中に1〜3冊くらいは読んでしまうかなりヘビーな読書家です。

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