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わたしとの対話~わたしの道しるべ

【第2話】献腎移植を受けて

2021.10.25

文:もあぞう

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わたしを変えた運命の電話

わたしの世界が変わったのは、忘れもしないあの日…中学1年生の冬。
明日から冬休みだという日に、1本の電話が鳴った。
「あなたに合う腎臓があるのだけど、移植を受けてみませんか?」

わたしはとても驚いた。病気が治るかもしれないという嬉しい気持ちと、移植手術でお腹を切られることに対して「痛い」「怖い」という気持ちも相まって、涙が止まらなかった。
それでも、透析施設の医師や看護師さん、両親から移植の勧めもあり、何よりも移植がうまくいけば透析を受けなくてもいい! これが一番の理由で移植を受ける決意をし、母と東京行きの飛行機に乗った。

移植手術は無事成功。術後は、お腹の傷がとても痛くて目が覚めた。
「手術はうまくいったよ。おしっこもでてるよ」の看護師さんの声に安心して、今は朝なのか夜なのかもわからないまま、松田聖子のクリスマスソングが流れていたのを覚えている。「痛かったこのベルを鳴らして」と看護師さんに言われて渡されたハンドベルを、わたしはずっと鳴らしていた。

程なくして一般病棟に移った。
大部屋で問題なければ退院を視野に入れていたが、発熱すると個室に、落ち着いたら大部屋に移動…を何度か繰り返した。特に拒絶反応はなかったが、医師に後から聞いた話では、免疫抑制剤の調整がなかなかうまくいかず、サイトメガロウイルス感染症で頻繁に発熱するなど苦労したようだ。

そしてこれも後になって母から聞いた話だが、熱が続くようなら移植した腎臓を摘出しなければならないと医師に言われ、母はひとりで悩んでいたようだ。
3カ月入院して薬の調節がうまくいくようになったわたしは退院し、迎えに来てくれた父の車に乗って地元に帰った。

ヘルペスウイルスによる、移植後に注意を払うべき日和見感染症。健康な人が感染した場合多くは無症状だが、免疫力が低下している人が感染した場合重症化する可能性があるので注意が必要。発熱、間質性肺炎、腸炎、肝炎、網膜炎、脳炎など症状は多様。


移植ってスゴイ!!

免疫抑制剤でステロイドを服用していたため顔は丸くなってしまったけれども、身体の内面から力が湧いてきて、今までとは違う自分を感じていた。

おしっこがしたくてトイレに行くことが嬉しかったし、走っても息切れしない。
またご飯がとっても美味しくて、水もガブガブ飲めた。
わたしは自由を手に入れた! 健康ってなんて素晴らしいんだろう! そう思った。

普通の人にとっての当たり前のことがわたしにとってはとてもありがたく、生きていることに感謝した。わたしは、この腎臓さんと共に生きていくんだ、大切にしようと思った。

移植後、お世話になった透析施設のスタッフに会いに行ったら、「顔色が良くなったね」「透析している時とは全く違う…! 元気そうや~! よかったね」「移植ってすごいんだね」などと声をかけてもらった。

元気になったわたしを両親もとても喜んでくれ、退院後はしばらくご馳走が続いた。
みんなもっと気づいて! 健康の素晴らしさ、生きている素晴らしさを!

そして、この時わたしは決めた。将来看護師になる、と。

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もあぞう

もあぞう
小学3年生で透析導入し、中学1年で献腎移植を東京で受ける。移植後10年で透析再導入になり今年で25年。自分がされて嬉しかったことを患者さんにしてあげたいと看護師の資格を取得。
2002年詩集『ぞうに咲くひまわり』、2012年絵本『もあのきもち』、2014年詩集『ぞうの恩送り』書籍出版。看護師として働いたのち、現在会社員。余暇はペーパークイリング、自然を眺めたりしながら、創作活動に励んでいる。

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