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移植者からみた最近の移植事情とは?【第4回】
移植ってどのぐらい費用がかかるの?
2017.7.31
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今回は意外と気になる移植の費用についてお話します。
海外で手術を受ける移植の場合、数千万〜数億円のお金が必要なため「●●ちゃんを助ける会」などが募金活動をしているイメージがあると思います。
私のドナーである母親も、最初は「どのぐらいお金が必要なのか?」と心配していました。さてどのぐらいかかるのでしょうか?
生体腎移植のケースですが、腎臓疾患に関連する医療費助成制度を状況に合わせて活用することで、室料差額や一部検査費用を除き、自己負担なく移植医療を受けることができます。
私の場合、20数年前の実績ですが14日間の個室利用代(1日1万円)14万円を払った記憶があります。通常はこんなに長くいる必要は無かったのですが、大部屋のベッドが空かなかったため支払い額が多くなりました。これは運かもしれません。
現在では手術後2週間ぐらいで退院してしまいますので、個室にいる時間も短いでしょう。尚、この室料差額代は施設によっては無料のところもあるようです。
ドナーに関わる費用については、ドナー検査費用やドナー適合検査費用が数万円かかりますが、移植手術が実施された場合は全額返済されますので差額ベッド代が無ければ基本無料と考えていいと思います。
さて無事退院した後には定期的な通院が必要になります。最初は1週間に2〜3回、その後1週間に1回、2週間に1回、1か月に1回などと、徐々に減っていきます。私の場合、現在は何もなければ2か月に1回の通院です。
この通院にはもちろん費用がかかります。私の周りで一番多いパターンは、自立支援医療(更生医療)制度の適用を受けるケースです。この場合個人の所得によって違うのですが、住民税課税対象者の場合の支払限度額は1か月に5,000〜20,000円になります。
重度かつ継続の対象 | 条件 |
---|---|
疾病などから対象となる方 | 腎臓機能障害・小腸機能障害・免疫機能障害の身体障害者手帳を取得されている方 |
疾病に関係なく高額な費用負担が継続することから対象になる方 | 各健康保険の高額療養費の多数該当にあたる方 |
重度かつ継続に該当する方の自己負担限度額 | |
---|---|
世帯区分 | 暦月1ヶ月の支払い限度額 |
一定所得以上の方 | 20,000円 |
中間層1の方 | 10,000円 |
中間層2の方 | 5,000円 |
ちなみに私の場合は、会社の健康保険組合の給付金を貰った方が厚生医療を適用して支払うよりもお得だったため、厚生医療の申請を選びませんでした。この辺は所属する保険組合との兼ね合いかと思います。
また東京都の場合は、個人の所得が住民税非課税対象などの場合は「マル障」の適用を受けることもでき、その場合は完全に無料になります。実は私も現在とある理由で1年間マル障の恩恵を受けています。8月以降は多分恩恵を受けられないと思いますので、厚生医療の継続申請を行います(多分月額1万円の自己負担)。
この場合、病院に行くのは出来るだけ同じ月に集中させるようにし、毎月支払いを発生させない工夫が必要になります(笑)。
最後に、もっと移植に関するお金に興味がおありの方にお知らせです。
2017年10月1日(日)14時〜、東京女子医科大学病院移植者の会(あけぼの会)主催で「待機者のための移植塾」が開催されます。この中で医療ソーシャルワーカーによる「移植に関するお金の話」の講演があります。是非ご参加ください。
この件に関するお問い合わせは下記のメールアドレスまでお願いします。
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