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【第43回】
季節が変わる前にドライウェイトについてのおさらい
2020.3.23
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「暖冬と言われた今年の冬は、広島市内ではほとんど雪を見なかったなぁ」と、あまり使わなかった灯油の残りを見ながら春を待つ今日この頃です。
「体内の水分量」を気にする季節が来る前に
春がきて夏になると汗をかくようになります。汗をかくことで体内の水分量が足りなくなり血圧が下がると、立ちくらみが起こりやすくなります。ただの立ちくらみならまだいいのですが、血圧低下によるシャントの閉塞や、転倒して怪我なんてことにもなりかねません。今回は、自分の体を把握する第一歩として、季節が変わる前に自分のベストなドライウェイトを把握しましょうというお話です。
ドライウェイトについてのおさらい
ドライウェイトというと、毎回の透析時に「ドライウェイトよりも増加は5%までで!!」とか、耳にタコどころかイカにホタテまでついてきそうなほどに聞く言葉ですが、ひとまずおさらいです。
体内の水分量が適正な状態をドライウェイト(乾燥体重、基礎体重、目標体重、基準体重、至適体重)と言います。人間の体内において水分量は腎臓によってコントロールされていますが、人工透析を受ける私達患者はこの腎機能が失われています。そのため、毎回の透析によって余分な水分を体外に取り除く必要があり、その重要な目標となるのがドライウェイトです。
違和感があれば、医療者に伝えましょう
毎回の透析時にこの目標の体重になるように体内の水分量をコントロールするわけですが、高血圧症状をお持ちの方は特に厳格な設定とコントロールが必要不可欠です。
実際私も数年前に高血圧のコントロール目的でドライウェイトを絞ったことがありますが、血圧が維持できなくて仕事中に意識消失して転倒なんてこともありましたので注意が必要です。
ここで注意しなければならないのが、患者の感じる楽なドライウェイトと医師が決める体にとってベストなドライウェイトは必ずしも一致しないと言うことです。そのような場合は、患者も自分の感じる違和感をきちんと医療者に伝えて、心エコー検査など、検査の追加をお願いすべきでしょう。
透析は患者も大事なチームの一員なのですから、伝えるべきことは伝えるように常に意識しておきましょう。
ちなみに、毎月または定期的に透析の前後に撮る胸のレントゲンは心臓の大きさをチェックし、心臓の周りに心嚢水(心臓と心臓を覆っている膜の間の水)が溜まってないか確認する大事なものです。心臓の大きさからドライウェイトが合っているかどうか、心臓や肺の異常などがわかる検査ですのでお忘れないように!
先々月、透析後のレントゲンを撮り忘れて、次の日の出勤時に注意されちゃった大ボケな私でした…。
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