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腎臓病の方が知っておきたい災害時の感染症対策
【3】実際の対応編

2021.12.6

文:ndeco

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災害時の感染症対策や健康面のリスクに関して、「【1】基礎知識編」と「【2】準備編」で基礎的な側面をお話ししました。今回は、実際に災害が起きた場合にどう行動するか、どのようなことに気をつけて避難生活を送るかなどを取りまとめた実践編です。


避難生活の大前提

どこにいても、一人ひとりが守ること~避難者・支援者の方へ~

  • 三密(密閉・密集・密接)を避けましょう
  • 汚れた手で、無意識に目・鼻・口を触らないようにしましょう
  • こまめに手洗い・アルコール消毒をしましょう
  • 常にマスクを着用し、咳エチケットを守りましょう
  • 食器や洗面用具、タオルを他の人と共用しないようにしましょう
  • 身の回りの整理整頓、掃除に努めて、清潔を保ちましょう
  • 心身の健康の維持に努めましょう

全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)「新型コロナウイルス 避難生活お役立ちサポートブック第4版(2021年5月26日発行)」より引用改変

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感染予防のための8カ条

感染予防のための8ヵ条

出典:東北感染制御ネットワーク「感染予防のための8ヵ条

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具体的な衛生状態の保ち方

避難生活においても、手洗い、咳エチケット、トイレの使い方など、感染症対策は普段の対策と基本的に同じで、衛生状態を保つことが大切です。ただ、水がふんだんに使えない、共用するものや場所があるという点でいつも通りの対策が無理な状況では、以下を参考にしてください。

流水で手洗いできない場合の手指消毒について

国立感染症研究所 - NIID「流水で手洗いできない場合の手指消毒について

手洗い手順リーフレット

(公社)日本食品衛生協会平成26年度食品衛生指導員巡回指導資料より「手洗い手順リーフレット

咳エチケット

国立感染症研究所 - NIID「咳エチケットで感染症予防

避難所内のトイレの衛生管理について

厚生労働省「避難所内のトイレの衛生管理について

皆様へのお願い~感染症予防のために~

厚生労働省「皆様へのお願い~感染症予防のために~

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病状がある場合はすぐにスタッフに知らせましょう

避難所生活で次の症状がある場合は、すぐに避難所のスタッフに知らせましょう。在宅避難の方も、我慢せずに医療機関に連絡をしましょう。

  • 熱(38度以上)がある、または熱っぽい
  • 上気道炎症状(咳、鼻汁、咽頭痛など)がある
  • インフルエンザ様症状(全身がだるい、寒気、 頭痛、関節痛・筋肉痛など)がある
  • 咳があり、血がまざった痰がでる
  • からだにぶつぶつ(発疹)が出ている
  • からだにぶつぶつ(発疹)が出ていて、かゆみや痛みがある
  • 唇や口の周りにぶつぶつ(発疹)が出ていて、痛みがある
  • 首がかたい感じがしたり、痛かったりする
  • 下痢便(水のような便、柔らかい便、形のない便、噴出すような便など)が出た
  • 吐いた、または吐き気がする
  • おなかが痛く、便に血がまざっている
  • 目が赤く、目やにが出ている
  • 創などがあり、膿がでたり、赤かったり、腫れていたり、痛かったりする

出典:一般社団法人 日本環境感染学会「避難所における感染対策マニュアル

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おまけ:食中毒の予防

ノロウイルスをはじめとしたウイルス性の食中毒以外にも、災害時は十分な衛生環境の維持・確保が難しいため、過去に避難所での炊き出しなどで食中毒が発生しています。東京都福祉保健局の「知って備える。災害時の食中毒予防」などを見てみると、衛生用品を利用して手洗いなどを徹底したりするなどの衛生状態を確保する方法は、感染症対策に通じるものもありますね。
食品の取り扱いに関しては、NASAが宇宙食の安全性を確保するために考え出したハサップ(HACCP)という方法の中で、避難所などで関連する項目を抜き出したものを以下に示します。

食品の保存と管理について
食品を直接床に置かない。
食品を扱う前にと扱った後には、必ず手を洗う。
食事について
食事の前には手を洗う。
盛り付ける器具や食器は、清潔なものを使う。
温かい料理は温かいうちに、冷たい料理は冷たいうちに食べる。
料理前、調理後の食品を室温に長く放置しない。
残った食品について
残った食品を保存するときは、手洗い後、清潔な器具で清潔な食器に移して保存する。
時間が経ちすぎた食品は、思い切って捨てる。
残った商品を温め直すときは、十分に加熱する。
あやしいと思ったら、捨てる。

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最後に 〜防災を妨げる2つの心理

この3回のシリーズ記事が役立ってしまうことが起きませんようにと願いつつも、万が一に備え、他のじんラボの災害に関する記事と併せてしっかり読み込んでいただけるとうれしいです。

災害時の感染症や健康面のリスクに関してのさまざまな書籍や資料を読み込んで思ったことは、災害対策、感染症対策ともに想像力と同時に慎重さを非常に試されているということです。

非常時に避難の妨げになる2つの心理をどう乗り越えるかが課題です。「これくらいなら大丈夫」と楽観視から危険な状況を認識できない「正常性バイアス」、「みんなが逃げていないから大丈夫」周囲の人と同じ行動をとってしまう「同調性バイアス」、この2つ心理が働いているかもしれないことを意識してください。あなたが危険を冷静に認識するのを邪魔しているかもしれません。
日本赤十字社の「ACTION!防災・減災|日本赤十字社」では、皆さんに知っておいていただきたい「災害時におけるこころの働き」についてわかりやすく紹介しています。こちらも是非ご覧ください。

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参考

  • 岡田晴恵(著)片岡信和(監修)「感染しないひなん所生活 新型コロナウイルスとこわい感染症から身をまもろう」フレーベル館 (2021/3/1)

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ndeco

ndeco
じんラボの中の人。
こどもの頃よく尿検査にひっかかって、腎臓が悪い疑いありってことで定期的に超音波検査を受けていましたが、転院したら「そーゆー体質なんだろう」と言われて通院終了。あれは寛解なんだか完治なんだか。
基本的にずっと健康。2018年7月1日より禁煙継続中。
デザイン屋さん、はにかみ屋さん、てれ屋さん。

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