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透析から移植、そしてオストメイトになった私の体験談

【第2話】腹膜透析と学生生活の両立

2022.10.17

文:K.F

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中学に進学し、腹膜透析を導入

小学校を卒業し、中学校生活がはじまりました。
6月には3泊4日の校外学習に参加し、体調を崩すことなく夏休みを迎えられましたが、夏休み終盤の定期外来で透析導入の話が再び持ち上がりました。今まで頑張ってきた食事療法もとうとう限界に近づいたのか、クレアチニン値の高止まりが続いていたのです。

その頃、最初の入院からお世話になっていた主治医が独立開業のために 通院先の市立病院を退職していたので、大学病院から来ていた小児腎臓病の専門医に診てもらっていました。その先生が所属している大学病院に入院し、透析導入の準備をすることになったのです。この時点で両親には透析導入について知らされていたようですが、私には「検査入院」とだけ告げられていました。

大学病院は市立病院と同じ県内にあるのですが、とても遠くまで来てしまった感覚があり、入院初日のレントゲン検査での待合室で、「自分はこれからどうなってしまうのか?」と言いようの無い不安に襲われたことを、今でもハッキリ憶えています。

入院から1週間程度様子を見ていましたが、クレアチニンの数値は下がらず、腹膜透析を導入することとなりました。
カテーテル挿入手術は成功し順調にいくかと思いきや、手術から10日ほど経過した頃から除水がうまくいかなくなってきました。原因はカテーテルの位置が体内で移動してしまったためで、結局、最初の手術から3週間後にカテーテル再挿入手術を受けました。
10月の入院当初は、順調にいけば年内に退院可能だと言われていましたが、カテーテル再挿入という思わぬトラブルに見舞われたため、年明けの退院となりました。

冬休み明けから、腹膜透析をしながらの学校生活を送りました。
CAPD(持続携行式腹膜透析)は昼に1回の透析液の交換(バッグ交換)が必要なので、病院と学校両方から許可を得て、昼休みの1時間を利用して家に帰って透析液を交換してから、また学校に戻っていました。この透析液の交換のために家に帰るという皆と違う行動を取ることは、多感な時期の私にとって精神的苦痛でした。ただ、中学3年生でAPD(自動腹膜透析)を導入したので、この生活は約1年半で終わり、無事中学を卒業しました。


高校生活を終えて専門学校に、そして進路未定のまま卒業

高校は地元の県立高校に進学し、APDのおかげで透析をあまり意識せず過ごしましたが、修学旅行は学校側が私の参加に難色を示し、話し合いの結果母が同行するという条件で参加できました。
修学旅行が終わると進路を意識しはじめましたが、腎不全の友人が言った「透析をしていたら手に職をつけた方が良い」という言葉を受けて、建築系の専門学校への進学を決めました。ちなみにこの友人は現在、透析をしながら歯科医として独立しています。

専門学校2年の頃、私も皆と同じように就職活動をしました。しかし就職活動をしながら、「透析と仕事の両立」への不安だけが大きくなり、私の中に「腎臓移植をして透析から解放されたら就職する道」が浮かんできたのです。そして、進路未定のまま専門学校を卒業しました。

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K.F

K.F
10歳で腎不全と診断され、13歳から約8年の腹膜透析の後、21歳で母親から生体腎移植を受けました。腎移植後のトラブル(膀胱直腸瘻)によりオストメイトでもあります。2021年3月、移植腎の機能が低下して血液透析をスタートしましたが、テレワークでの仕事と透析の生活にも慣れ、精神的・体力的にも余裕が出てきたのを機会に、体験談を寄せる決意をしました。

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