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透析と視覚障害

【第6回】目に頼らない透析の自己管理について その2

2021.12.13

文:ミーナ

緑の文字の用語をクリックすると用語解説ページに移動するよ。

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「目に頼らない透析の自己管理」についての1回目は通院、体重や血圧の測定、検査データの確認方法などについてお話ししました。今回は食事、服薬、水分管理の方法についてです。


食事管理

食事の準備

腎臓病患者にとって、食事管理はとても大切なことです。しかし掃除や洗濯、ゴミ出しなどの家事はできても、料理だけはどうしても苦手だという視覚障害者は比較的多く、特に一人暮らしだと毎日のようにコンビニ弁当やスーパーのお総菜で食事を済ませてしまうという人は少なくないのです。
そのため、もともと内臓疾患を持たない視覚障害者であっても、一人暮らしを始めてしばらくすると生活習慣病になってしまう人はかなりいます。

視覚障害者が生活習慣病を防ぐにはどうしたら良いのでしょうか?
ご家族に食事を作ってもらえる方は特に心配はいらないでしょうが、問題は一人暮らしの方です。

まず考えられるのは、ヘルパーさんに依頼して食事を作ってもらう方法ですが、利用時間の上限があるため、毎日以来するわけにはいきません。
宅配弁当という手段もあります。宅配食業者のほとんどが減塩弁当を作っており、中には糖尿病患者や腎臓病患者向けのように疾患別の弁当を出しているところもあります。値段と味はピンキリで私もいくつか食べてみたことがありますが、病院食のような感じで好みではありませんでした。

それなら、頑張って自分で作ってみようかな…と思った方は、「【第4回】安心・安全な移動、視覚障害者にとってのコロナ禍」で紹介した中途失明者緊急生活訓練事業という自治体による福祉事業の中に料理(調理)教室があるので、行ってみると良いでしょう。電子レンジや炊飯器などを活用し基本的に火を扱わない料理方法や便利な調理器具の使い方などを教えてくれます。

ちなみに、「【第6回】目に頼らない透析の自己管理について その2」で紹介した体重計や血圧計と同様、調理家電にも“しゃべるもの”が色々とあります。炊飯器、電子レンジ、IHコンロなどの他、小さいものではキッチンタイマーや計りなどに音声ナビ付きのものが発売されています。


食事をとる

視覚障害者にとって食事の準備はもちろん、食べること自体も実は結構大変です。ちなみに中途失明の方は人前で食事をとるのを嫌がる場合が多いのですが、これは行儀よくきれいに食べられる自信がないからだそうです。

ここでは、食事のマナーに関する話は置いておき、視覚障害者が生活習慣病になってしまうもう一つの原因である、調味料のかけ過ぎについて考えてみます。

目が見えにくくなると調味料のかかり具合が分かりづらく、かけすぎたり意図しないところにかけてしまったりすることがあります。私もハンバーグが真っ赤になるまでケチャップをかけたり、千切りキャベツが茶色くなるまでソースをかけてしまったりという失敗を何度もやらかしています。塩分を摂りすぎてしまうので、腎臓が悪い者には致命的ですよね。

視覚障害者の調味料のかけ過ぎを防ぐために、さまざまな調味料入れが作られています。
例えば、視覚障害者用に作られた醤油さし。一見普通の醤油さしですが、傾けただけでは醤油が出ないようになっています。注ぎ口を料理の方に傾けて、上面のボタン押すと一滴(約0.5mL)ずつなど一定量が出るようになっているのです。これなら醤油をかけ過ぎてしまう心配がありません。

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粉末の調味料入れには、決まった量しか出てこないような仕組みになっているものもあります。調味料入れを買って使うのが面倒で、お弁当についているような小袋のソースや醤油、学校給食用の小袋のジャムやマーガリンなどを大量に買ってストックしている人もいます。これなら、ちょうど1回分しかないので、かけ過ぎてしまう心配はありませんね。

なお、それすらも面倒くさいという人は、いっそのこと何もつけずに食べるか、別のお皿にソースや醤油を入れて、つけながら食べるということになるんでしょうね。実際、そういう食べ方をしている人もいます。


視覚障害者の「調味料のかけ過ぎ」のもう一つの原因

中には料理に刺激を求めて意図的にドバドバかけてしまう人がいます。
糖尿病網膜症で失明した私の知人は、いつもとんかつが真っ黒になるまでソースをドバドバかけて食べていました。なぜそんなにかけるのか聞いてみたところ、ソースをいっぱいかけないとトンカツを食べている気分が味わえないからだと言っていました。

目が見える人は視覚、嗅覚、味覚で料理を楽しめますが、視覚障害者は料理の見た目の情報がなくなります。香りや味についつい刺激を求めてしまい、その結果、調味料をわざとドバドバかけて食べるのです。まさに、失った視覚情報を味覚や嗅覚によって穴埋めしようとしているのでしょう。

視力障害が進行している方は、視力が低下するほどこの調味料ドバドバ状態に陥る可能性があるので、注意した方が良いでしょう。


服薬管理

目が見えづらくなると薬の管理も大変です。
一般的な錠剤はどれも同じような大きさですし、形もみんなきれいな丸型なので、薬の種類が増えてくるとどれがどの薬なのか分からなくなります。実は私、1年以上も薬の飲み方を間違っていたことがあります。

薬の飲み間違え対策としては、服用するタイミングが同じ薬を1回分ずつまとめてもらう「一包化」が良いでしょう。
風邪薬のように単発的で、種類が少なかったり、薬の飲み方が単純な場合は不要かもしれませんが、量が多かったり、飲む期間が長かったりする場合は一包化してもらった方が良いでしょう。しかし、粉や液体の薬など一包化ができないものについては、対策の取りようがなく悩みどころです。

一包化処方薬

目が悪くなると、物を探すのも大変なので、薬を落としたり無くしたりしない工夫を考えた方が良いでしょう。具体的には、薬の置き場所を決めたり、洋服のポケットなどに入れっぱなしにしない癖をつけるといった方法が挙げられます。


水分管理

透析患者にとって、水分管理もとても大切です。
病院の指導では1日の飲水量を600~700mL程度にするように言われることが多いかと思いますが、目が悪い人はどうやって管理すれば良いのでしょう。

私が最初に入院した病院では、200mLまで50mLずつの目盛りがついたカップを買わされました。入院中は看護師さんが水を入れてくれるからいいのですが、自分で入れる場合は量を確認できません。

ある目が悪い透析患者さんは、毎日600mLのペットポトルを買い、1日かけて飲むことにしたと言っていました。さっそく私もその方法でやってみることにしたのですが、冬場は温かいお茶を飲みたくなりますし、600mLサイズのお茶がいつも都合よく手に入るとは限りません。

ペットボトルいろいろ

後で聞いた話ですが、目が見えてる透析患者さんの中にも、これと似たような方法で管理している人が結構いるそうですね。水筒を使っているケースが多いようですが、水筒以外から水分を取った場合は、その分の水筒の水を捨てているのだそうです。
「ああ、なるほど」とは思いましたが、これも調味料と同じで、水筒なりペットポトルなりを傾けて水を捨てるにしてもどのくらいの量が出るのかわからないので、この方法はちょっとナシかなあと思ってしまいました。

次に試したのは、水を入れたコップを持ってそのまま体重計にのるというもの。これはなかなか分かりやすく、良い方法であります。何度かやっているうちにコップの水の量がだいたいわかるようになるので、水分量の予想は立てやすくなりました。
ただ、軽いプラスチックのコップなら良いのですが、陶器のマグカップなどではカップ自体の重さが加わるので、温かいお茶を飲みたい時は困りました。
そこで、熱湯や電子レンジ対応のプラスチックのコップを探しました。今はそのコップを使って水を飲んでいます。コップに目盛りはありませんが、おおよそ200mL入ります。

外で何か飲むときは、自分のコップを持ち歩いているわけではないので、そのまま飲んでいます。一応、さまざまな飲食チェーンのドリンクのサイズは調べました。

次回は最終回「まとめ」として、視覚障害の障害者手帳を持っている人が受けられるサービスや助成対象となっている機械類、関連団体の紹介をして終わりたいと思います。

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ミーナ

ミーナ
1990年9月生まれです。生まれつき、先天性緑内障という目の病を持っており、幼い頃から弱視で現在はほとんど見えていません。腎臓は昨年急な体調不良から緊急透析導入となり、今に至ります。原因は不明です。視覚と腎臓の重複障害ですが、日々楽しく生活しています。
趣味は読書で、4時間の透析中に1〜3冊くらいは読んでしまうかなりヘビーな読書家です。

    こんな体験談が読みたい、私も体験談を書きたいなど、「研究員のはなし」にご意見をお寄せください!

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