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透析から移植へ 〜戦いは終わらない〜

【第11話】腎臓移植手術翌日から退院まで

2022.5.30

文:OZMA(オズマ)

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術後2日目~歩いて妻の病室へ

予想した通り、手術当日の夜はあまり眠れなかった。何度も体位交換やドーナツ枕の入れ替え等に対応してくれたあの看護師も、きっと同じだろう。

翌朝は違う看護師が担当になっていた。
看護師から1日の予定が時系列で示された。ベッドに座り、その後歩くよう言われた。早期離床のために、やはり手術後はすぐに歩くのがよいのだろうか。
歩けるかは正直不安であった。しかしようやくここまで来たのだから、できることは何でもやってみようと思い、正午過ぎに妻の病室を見舞うことにした。入院は夫婦同室の場合もあるが、うちは別々の希望を出していた。妻の病室はナースステーションの前を通って反対側の病室まで行かなければならない。

歩く前に、体中から出ている管を処置する必要がある。管に絡んで転んでしまい入院が長引いた人もいたと事前に聞いていたので、慎重に管をまとめて歩き出した。
ナースステーションの前を歩いていると「OZMAさん歩けてる!」という声が聞こえた。何を言っているのだ、歩けと言ったのはそっちだろうと思いながら妻の病室に着いた。

妻に声をかけると、どうも具合が悪いらしい。めまいがひどいと言う。特に若い女性にはよくあるらしい。妻はもともと耳石が原因でめまいを起こすことがあった。「静かにしてほしい」と言われ、すごすごと自分の病室に戻った。

しかし人間とはすごいものである。昨日まで透析が必要だったのに、腎臓移植後は透析がいらないのである。しかも次の日には歩けるのだ。移植医療のすごさを実感した瞬間であった。


クレアチニンの推移

クレアチニン値を測るため、血液検査は毎日行う。
手術前のクレアチニンは12.04mg/dL、術後1日目は10.94mg/dLだった。さらに2日目は6.36mg/dL、3日目は2.92mg/dL、4日目は1.75mg/dL、5日目は1.37mg/dL、6日目は1.24mg/dLと順調に下がり、退院直前の14日目には正常値範囲内の0.94mg/dLまで下がってた。

主治医曰く、「ここまで下がるとは思っていなかった」とのこと。これもひとえに良い腎臓をくれた妻、執刀医はじめとする移植チームの皆さん、看護師をはじめ各医療従事者のお陰だと思っている。

術後6日目にはすべての管が外れ、運動靴を履いて病院内を歩き始めた。北海道大学病院の一階を何周もするのである。
午前6時に病室を出てエレベーターで1階へ降り、開院前の暗い中を黙々と歩く。そんな早い時間にもかかわらず、待合室には人がいた。外来受診の順番を取っているのである。

(かくいう私も退院後はこの人たちの仲間になった。早く行けば早く採血が終わるため、皆午前6時には並びだすのだが、2020年2月から採血は受付順から採血予約時間優先となり、来院した時間は基本的に関係なくなったのである。それでも午前8時の受付前には、今でも50名近くが列をなしている。)

術後6日目以降は何もすることがなくなった。
毎日散歩をし、腎臓のエコー検査を受け、血流があるかを確認。蓄尿して腎臓の動きをチェックし、クレアチニンの推移をみるだけである。


術後15日目~非日常から日常へ

主治医から15日目の退院を検討してほしいとの提案があった。術後14日以上経つとなぜか抗体が悪さをしなくなり、拒絶反応の心配がなくなるとのことだ。早く退院してほしそうな言い方でもあった(実際元気なのだが)。次の入院患者が詰まっているのかな?などと考えたが、こちらとしても一刻も早く退院したかったので渡りに船である。

結局、術後15日目の11月15日に無事退院した。北海道大学病院前の薬局に勤めていたことから、そこまで歩いてみることにした。妻はめまいが落ち着き、私より5日早く退院していた。

病院の中を毎日歩いていたため、薬局までの道のりは楽勝だろうと考えていたが甘かった。
病院内は少しの段差やギャップがなく、まっ平らだ。しかし一般道はアスファルトや点字ブロック、白線や縁石などさまざまな障害物がある。今までは何も考えずに歩いていたが、入院して非日常生活を送るということは日常生活に戻るにもリハビリ期間が必要なのだ。

仕事には11月下旬から徐々に復帰した。休んでいた間に薬局を守ってくれた方々には本当に感謝している。

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OZMA(オズマ)

OZMA(オズマ)
1961年2月生まれ。
59歳。埼玉県所沢市出身、札幌市在住。
糖尿病性腎症で54歳に透析導入。2年2ヵ月後、妻から腎臓移植。
仕事は、外資系製薬会社に13年勤務、営業、管理薬剤師、開発、広報などを経て1998年より薬剤師として勤務。2001年に独立して薬局経営。現在、新しい薬局の開設準備中。

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