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【第4話】注意すべき薬とはっ!?

2013.10.22

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みなさんこんにちは。猛暑といわれた今年の夏を乗り切って秋の訪れに一安心されている方も多いのではないでしょうか?
腎不全の患者さんからは、水分調節やらカロリー調節やらで食事療法をややこしくするし、ただでさえ透析後に倦怠感があるのにそれに拍車をかけるように猛暑が体力を奪う。。。と、だいぶ苦労された話を耳にしました。
私は毎年、夏休みシーズンになるといち早く夏休みを申請して夏が始まる前に夏休みを満喫し、夏本番には秋が来るのを待ちわびてひたすら働くという毎日を送ります。もともと汗をかきにくく、こまめな水分摂取も不得意なので夏が本当に苦手です。ここ数日で一気に秋の訪れを肌で感じ、衣替えをしだして、寒い日に備えて鍋を新調して、と秋の訪れを大歓迎し、感謝している毎日です!!

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しかし一方で、季節の変わり目には体調の変化もつきもので、風邪をこじらせてしまったり、気圧の変化などで頭痛や肩こりなどが出やすいという方も多いかと思います。
私もときどき痛み止めや解熱剤、市販の風邪薬などを利用することがありますが、腎臓を患っている方には注意が必要な薬があることをご存知でしょうか?

簡単に分類すると4種類です。自分が常備薬として利用している薬の中にこの注意すべき4種類がないか確認してみてください。治療上、これらの薬が必要な方もいらっしゃると思いますので、処方された薬であれば主治医へ確認してみてください。


マグネシウム・アルミニウムを含む薬

緩下剤や胃薬の中にはマグネシウムやアルミニウムを含むものもあります。なぜ注意が必要かというと、腎不全の患者さんの場合はこれらが体内に蓄積してしまうからです。ほとんどの場合、腎不全の患者さんはこれらを含む薬は使いませんが、一時的に使用する場合もあります。市販薬を使用する場合は主治医へ確認してからが安心です。もともと便秘になりやすい方は、主治医に頓用での処方をお願いして手元に準備しておくと安心です。

以前、腎機能が若干落ちていた患者さんで、家族が使っていた市販の便秘薬を主治医に内緒で使用し続けていたという方がいましたが、それによって知らないうちに腎機能障害が進んでいたということもありました。高齢の患者さんは特に、腎臓を悪くする前から飲んでいる常備薬が使えなくなることに不安が大きく、便秘するほうが怖くて以前から使用している薬を飲み続けるという方もいらっしゃるので家族の協力も必要です。

非ステロイド性消炎鎮痛剤

これはかなり注意が必要な薬で、鎮痛剤や風邪薬に使用されています。この薬を使用して腎障害を悪化させてしまったという症例は少なくありません。種類によってその程度は異なりますがもともと腎機能が低下している方ほど腎障害を受けやすく、連続使用は悪化の原因となります。こちらも腎疾患で通院されている方は、自己判断で内服せず、できるだけ早めに受診しましょう。頓用で処方をもらえる場合もあります。

よくある例で、整形外科などにかかって今まで使っていた強力な痛み止めが使えなくなることがあります。でも、いくら腎機能が低下してしまうからといって痛みを我慢することはかなりの苦痛です。その場合、主治医と相談して腎臓への負担の少ない飲み薬への変更やそれを数回に分けて飲むなど、飲み方の変更を検討してください。飲み慣れた薬を変えてそれに慣れるまでには少し時間がかかりますが、不可逆的な臓器である腎臓のためには大切な作業だと思います。

造影剤

造影剤とは、CT・MRI・血管造影などで使用される薬です。尿から排泄される薬であるため腎不全の患者さんは体内に蓄積しやすいのです。そうなると腎毒性が出現し結果腎機能を悪化させてしまいます。普段通院している病院での検査では、カルテより情報があるため検査技師さんたちも注意してくれますが、初診でかかる病院や検診などの際は自分で申告する必要があります。また、治療上どうしてもその検査が必要である場合は造影剤の量を減らしたりして腎保護の対策をして検査することもあります。

現在は造影剤も改良されてアレルギーが出にくくなり腎臓への負担も少なくなっていますが、個人差があり副作用が出やすい人もいるため、自己申告は必要だと思います。腎臓疾患を有するか否かに関わらず年に何件か造影剤で「全身が急に暑くなって汗が止まらなくなった」「急にかゆくて息苦しくなった」などの症状を訴えられる方がいるので、内服薬の種類や疾患名は伝えてから検査を受けていただくとリスク回避できます。

抗生物質

通常の抗生物質では医師が調節した量を正しく内服していれば問題はありません。しかし、抗生物質の中のアミノ配糖体系の抗生物質は腎毒性があるため慎重投与が必要となります。 なぜ抗生物質は慎重投与が必要かというと、薬には大きく分けて肝臓と腎臓で代謝されるものに分類されますが、腎臓から排出されるものに抗生物質が含まれるため、腎機能が低下している場合いつまでも体内に残ってしまうことがあるのです。

何年か前に私が受け持った患者さんで、何日も熱が下がらず奥様の抗生物質の残りを自己判断で内服して体調が悪化した、という男性がいらっしゃいました。まず自己判断で他人に処方された薬を飲んでいたということが間違いですが、そもそも解熱しなかった理由が急性腎不全由来で発熱していたためなので、ダブルパンチで治療期間が大変長引きました。思い出しただけでぞっとする話です。因みに抗生物質にもたくさん種類があり、もちろんその容量もひとりひとりに合わせて処方されています。自己判断で中断したり、他人の薬を安易に内服するのは危険なことなので注意してください。


以上、注意が必要な薬について書かせていただきましたが、薬だけではなく、季節の変わり目には体の変化はつきものなので、腎臓疾患の方は特に不調についてはささいなことでも注意が必要です。薬と上手に付き合って健康管理を頑張りましょう。

私も、冬までの季節の移り変わりを楽しみながら患者さんの体調管理のサポートも一緒に頑張りたいと思います!

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りんご

りんご

大学病院→中規模地域中核病院を経て現在透析看護に本格的に携わることを夢見て奔走中。趣味はマラソンと俳句とアート鑑賞。ペイシェントフットの宿野部代表との出会いから腎臓疾患には何かと御縁があり、看護を続けるなら「腎」だなと感じるようになりました。人とのつながりを大切にし、疾患とともに歩む患者さんの透析ライフを応援したいと考えています。まだまだ勉強中の身ですが、どうぞよろしくお願いいたします。