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【第7話】なんだかんだで毎日が楽しいのですっ!

2014.4.7

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新年度が始まりましたね。みなさんなにかと忙しい時期かと思いますが、体調管理はばっちりでしょうか? 私は、お別れの悲しさと新しい出会いへの期待で胸中大忙しですが、仕事の方は通常営業で過ごさせていただいております。ひと月前までは正月明けの腎疾患、心臓・脳血管疾患ラッシュ(寒い気候と正月の塩分過多・水分摂取過剰による諸々)で毎日お昼ごはんもままならない忙しさでしたが、ようやく一段落というところです。

今回は連載2年目突入ということで、私の独断と偏見により選出した「心に残る患者さんスペシャル」をお送りしたいと思います。

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家族には内緒★のおばあちゃんの話

まずは、とてもおちゃめな癒し系の方のお話です。
腎臓内科関連で入院していた、御年80代にして内服薬をすべて自己管理している患者さんでした。普通、高齢の方は何の薬を飲んでいるのかわからないという人が多く、看護師管理となる方がほとんどなのですが、この患者さんは全部理解していらっしゃいました(これは本当にすごいことです!)。
ある日私が足浴のため訪室すると、ちょこんとベッドに座り深刻な顔で私の手を握ってこういうのです。
「もう私はダメかもしれないから、最期にこの話を看護師さんから娘へ伝えてくれませんか?」と。
「ええと、2泊3日で退院予定ですが…」と言いそびれてしまい、そのまま私は話を聞いてしまいました。

内容は、その方は戦前、朝鮮半島で日本人の両親の末っ子として生まれ、戦時下になんとか船で日本に渡り、その後2回婚約したものの、2回とも召集令状により婚約破棄となってしまった、という話でした。
さらっと紹介しましたが、彼女は3回目の婚約後の結婚で授かった大切な自分の娘たちが差別されないようにと、今まで自分の出生について「岡山で生まれた」と言ってきたそうです。それを今回の入院がもしかしたら最期かと思われたのでしょう(個室だったので余計に寂しくて不安になったのかもしれません)、一番、接する機会の多かった私にお話してくれたのです。

お話を聞いた後に「聞いて良かったのだろうか?」という気持ちでいっぱいでした。

その後患者さんは悩んだ末、娘さんたちがお見舞いに来た時に勇気を出してその話をされたのです。そこで娘さんたちから「天国のお父さんから40年くらい前に聞いているから大丈夫よー!」と言われておりました(笑)!
それを聞いてご本人も「あらやだ!あの人ったら!!あの世で初めて夫婦喧嘩しちゃうかもしれませんわね!!」と言われ、傍らに立っていた私の白衣の腿のあたりを一生懸命恥ずかしそうに引っ張っていました(笑)。
内服薬の自己管理もできて病状もしっかり把握されていた患者さんだっただけに、まるっと信じ込んでいた私は、娘さんのお話を聞いてほっとするやら可笑しいやらでなんだかとても幸せな気分になりました。
そのようなお話を聞かせてもらえたことに感謝して、また、頑張ろうと思えた一日でした★


自己管理完璧だったのに、すぐに再入院したAさんの話

これは、職場ではちょっとタブーな話題かもしれませんが書きます(笑)。そういうことが許される場だと信じています(苦笑)。

入院されるといつも「よう、がんばってるー?」と声を掛けてくださるAさん。教育入院からずっと担当させていただいています。
彼は自己管理がばっちりで、食事制限も運動も安静もすべて医師の言うとおりに実践されてきましたが、いよいよシャント手術をして透析導入という方でした。

Aさんの血管は細くて蛇行しており、心機能やお仕事の状況、静脈の造影の結果から「グラフト(人工血管)が望ましいのでは?」とご本人も話されていました。
ですが、ふたを開けてみるとなんと!まさかの普通の内シャント(動脈と静脈をつなげる手術でシャントがつくられたもの)が出来上がっており、更にまさかの手術直後からシャント音が微弱という状況だったそう。
私はそこで初めて知るのです。Aさんは諸事情でうちの病院ではなく他の病院で手術されたのですが、その病院にはグラフト手術できる医師がおらず、グラフト手術の希望を伝えられずに内シャント術で良いといわれて手術してしまったそうなんです(なんてことだ…)。

地方で腎臓内科がない施設等では、内シャント術しかできないこともあると聞きましたが、大都会東京でもそういうことがあるとは。
でも、そうだったとしてもせめて他院を紹介してそこでグラフト手術だけやってくれてもいいんじゃないの?と私は思いました。

Aさんはうちの病院に再入院した際、つぶれた内シャントを見ながら「俺も自分でそうかなぁって思ったら聞いてみればよかったんだけどねー。今度はグラフトやってくれるらしいから助かるわー」といつも通りの明るい感じでした。
しかし、私は心底悔しいと思いました。Aさんは自己管理が完璧だったのに。知識もたくさんあったのに。自分で選んで納得して手術を受けられる時代なのに。もうちょっと術式の適応とかをうちの病院の主治医から伝えてもらえばよかったのかなぁ。そうしたら2回も手術しなくてよかったのかなぁ。と、いろいろと悩んでしまいました。痛いことは1回でも嫌なのに、結果的に2回も我慢させてしまった…。

Aさんは退院時に「また入院したら、一緒に悩んでちょうだいよっ!じゃぁね!!」と、私の心を見透かしたように言い放って退院されました。
なんか、本当にごめんなさいって気持ちよりも、こんなに前向きに頑張っているAさんのためにも自分にできることから少しずつ積み上げていこう!と心に刻んだ日でした。

最近のAさんは入院もされておらず、外来でも元気だったと医師から聞いているので、今も自己管理は完璧★で超元気でいるはずです!!


約一年の濃厚な入院生活を経て退院したのち、5日間で別人の様に変化して再入院した認知症のおばあちゃんの話

これもまた、書いてもいいのかなぁ?と思いながら書きます。こうなってほしくないので書きます。

みなさん、絶対真似しないでください!!!

お正月は、大みそかあたりから三が日あたりまで必ず餅を詰まらせた人や脳梗塞、脳出血、急性アルコール中毒などで救急室がいっぱいになります。そんな三が日の忙しさを若さ(主に後輩の若さ★)で乗り切って、今日からは落ち着くかなぁと考えていた矢先のことです。 大みそか前に自宅退院された、私が約一年担当していた高齢の女性の患者さん(認知症のため毎日初めましてから始まり、悪口を言われてしょっちゅう喧嘩していました(笑))が救急車で運ばれてきて緊急入院となりました。
もう、その姿は5日前とは比べ物にならないほど浮腫んでいて(10kg増)、原因はおせち料理のタケノコ・エビの塩漬けの食べ過ぎということでした。
もう、なんていうか、どうして?としか思えませんでした。認知症があるから注意してって本人にも家族にも話したのに!!
ご家族は「お正月くらいいいかなって思って」とか言われるし、もう、おせち料理は塩分強いから注意してって言ったのに好物の塩漬けだけを5日間ずっと食べさせ続けているし。
もう、本当に本当に、何なんですか!!
心臓2倍に大きくなっていますよ!
指がパンパンに膨れて痛々しいですよ!
1年間もリハビリ頑張ったのにたった5日で歩けなくするなんて!!
塩分を甘くみすぎですっ!!!

どんなに注意しても、こうなってみないとわからないと話される家族は多いです。

どんなに命の危険がありますよと説明しても、お正月等イベントの雰囲気で制限がゆるくなったりします。気持ちはわかります。でも、取り返しのつかない状況になってしまった今、ご家族が「なんとか歩けるようにしてください」っておっしゃっても、もうそんなにすぐは無理なのです。ご本人も頑張っているし私たちも全力で看護していますが、そんなに簡単に戻れるものではないのです。
自己管理が難しい患者さんの場合、家族への指導がこれほどにも重要だと思い知らされたことはありません。浮腫みすぎて話もままならない患者さんの顔を見ながら、「家族と話す短い時間の中でもっと指導の工夫が必要なのだ」と考えさせられる日々が続きました。

でも一方では「家族であっても他人の体調管理をすることというのは難しいよなぁ」とも思い、今日も「看護師さんが一番厳しいですよねー」と言われながら指導をしております。

厳さは愛ですよ、愛!!

受け止めてください(笑)。


プロレスラー並みの患者さんとデスマッチした話

私(というよりもほとんど先輩が)、闘いました。そういう話です。
ちょっと入院が怖くなりそうな話なので、滅多にない話だと思って読んでください。
本当に7年間病棟勤務していて初めてのことなので、本当に滅多にないことです。

先日、休日日勤(休日は病棟の日勤看護師の数が少ない)を終えて帰宅しようかという時間帯に、耳をつんざくような「たすけてー!!!!殺される!!!」という男の人の声が飛んできました。
よくわからないけど、反射的に隣の病棟までダッシュしていって急いで助け…られませんでした!!!
目に飛び込んできたのは、身長180cm、腕の筋肉ががっちりした50代の男性が、目が飛び出たような形相で、男性警備員さんと女性看護師2人を引きずりながら、汗まみれでこちらに猛ダッシュしてくる映像でした。

え?  これは?  なに??

一瞬で頭の中が真っ白です。え?なに?なに??わかんない。なぜか目に映る場景はすべてスローモーション。体が言うことをききません。
状況を把握できず棒立ちの私に向かってくる大男(←もはや患者さんとして見られませんでした、すみません)。怖くて体が動かなくてどうしようもない私。やばい、ぶつかる。ふっとばされる…。

その時、うちの病棟の大黒柱☆頼れる男性看護師の先輩(←各種格闘技経験者)が飛び出してきて患者さんをがっちりホールドしました。患者さんに叩かれたり蹴られたりされそうになりながら「早く先生とか応援呼んで!!」と指示を出してくれてやっと体が動きました。結局もう一人の男性看護師と、たくましい女性の先輩看護師と3人でベッドまで担いで運び、集まってきた看護師15人くらいでがっちりベッドに抑えて落ち着く薬を(本人の許可を得て)投与して事なきをえました。

彼は、アルコール中毒の患者さんで離脱症が出てきてしまったそうなのですが、昼過ぎから妄想と幻聴が激しく、ほんの数分看護師がベッドサイドを離れたときに妄想に取りつかれてしまい、(入院後に予防的に精神科の薬を投与していても時々こういうことがあるそうです)。ベッド柵をプロレスラーのごとくへし折り、固定していた抑制ベルトを引きちぎって逃走するところだったようです。
運悪く主治医が救急対応中で、予測指示で出ていた薬をすべて投与しても全く効かない、看護師のマンパワーだけでどうにかしなければならない状況で、みんなで本気で体を張りました。怪我をして流血した看護師さんもいたそうです。みなさん普段全然みせないような危機迫った顔でした。普通に仕事をしていて身の危険を感じたのですからそうなりますよね。私も鏡に映った顔は唇まで真っ青でした…。

その後、落ち着く薬の効き始めた患者さんから一言「今日のことはすべて忘れてもらえませんかねー?」と呑気な一言。そこに集った看護師全員が無言になったのは言うまでもありません。

こういうことがあると、寝たきりの患者さんの保清や移乗、酸素ボンベ(10kg/本)の準備以外にも体力的な仕事をする場面があるのだと気づかされます。そこで、マラソンに加えてこの春は強力にインナーマッスルを鍛えられるというホットヨガを始めてみました。今回、先輩の男性看護師がいてくれたからみんなが何とか無事にいられましたが、何が起こるかわかりません!!もしもの際には、私も怖気づかないでみんなのことを守れるようになりたいです。でも、怪我はしたくないので体は柔軟に保っておきたいです(←結局は保身の意味も兼ねてのホットヨガなのですっ笑)!!! 備えあれば、憂いなしっ!!


104歳でも恋バナ全開で人気者のおばあちゃんの話

高齢の方の話が多いのは、うちの病棟の入院患者さんの平均年齢が82歳だからです。超高齢化の波を肌で感じる毎日です。

今の80代以上の方は、とにかく元気!!若い患者さんが
「もうだめだ。透析とか言われたら生きる気力もないっすよ」とかいうのを聞いて
「あんた、頑張らにゃ。若いんだから。今の時代は何でもできるのよ。」と励まします。
看護師が夜勤で見回りに行くと
「あんた、若いんだからもう帰って寝て、明日は早起きしていい人探しに行きなさい」と声を掛けてくれ、とにかく良い雰囲気を作る天才たちの集まりです。
ご自分が病気で入院しているという事実はなんのその、みんなで励まし合って頑張って生きていくという信念みたいなものがあるので常に元気なのです。

個室の患者さんは、人と接する時間が少なくて認知症になることがあるため、うちの病棟では日中、デイルームやナースステーションの近くに車いすでお連れして話をしながら爪切りや足浴をすることがあります。

先日104歳の女性の方に爪切りをしていたところ、「あんた、ひとりもんかい?」と聞かれ、そうですと答えると「私の若いころにゃぁね…」と恋バナが始まりました(笑)。そこにいた3人のおばあちゃんず(←すいません)はたちまち昔の恋の話に花が咲いて、「あらやだー!」とか「ヨカレンで?ああ?あそこの?」とか「苦労したんですもんね。」とか「またあの人(←たぶん亡くなった旦那さん)と一緒になりたいわ」とか、昭和(むしろ大正?)の雰囲気満載でナースステーションまで響くその恋バナに、看護師も医師もみんなクスクス笑って和やかな雰囲気になるのです。
なかでも104歳の大先輩の声掛けの優しさはピカイチです。私は毎日「あんた、ひとりもんかい?」とチェックをされますが(若干認知症で忘れっぽいみたいで毎日同じ質問をされます)、そのたびに「生きていれば必ず運命の人に会えるよ」とか「がんばっていれば勝手に来るもんだから」とか優しい一言をいただけます。
独身アラサーの心に染み入る言葉です。

それにつられてステーション内の他のスタッフも、「私はー?私にも来ますかぁ?」とか「結婚するにあたって気を付けることはなんですか?」とかみんなで恋バナして平和なひと時が流れます。どんなに忙しくても、こういうちょっとした楽しい雰囲気をみんなで大事にする感じが私は大好きです。病院は辛いことが多い場所だから、こういう空気を醸しだして一時的にキャッキャしていても怒らない師長さんに感謝しています。

そんな患者さんたちに癒されながら、暖かくなってきた春の空気を感じて、今年度もきっとこのチームなら頑張れる、と思うのでした★★★

1年目は連載の更新が非常に遅く、また、「いいね」していただいているのにメッセージも返さず、本当に至らないところがたくさんあって読んでいただいている皆様には大変失礼をしてしまいました。

でも、連載を書かせていただいて、自分でも発見があったり、書くことで患者さんと何らかのつながりができることが嬉しかったです。読んでいただいて、つまらないものもあったかと思いますが、私が日々考えていることをこうして発信させていただけたことに感謝しています。本当にありがとうございました☆
これからは、私自身の働き方にもいろいろ動きがあると思いますが、どうか楽しみにして見守っていてください★

よろしくお願いします!!

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りんご

りんご

大学病院→中規模地域中核病院を経て現在透析看護に本格的に携わることを夢見て奔走中。趣味はマラソンと俳句とアート鑑賞。ペイシェントフットの宿野部代表との出会いから腎臓疾患には何かと御縁があり、看護を続けるなら「腎」だなと感じるようになりました。人とのつながりを大切にし、疾患とともに歩む患者さんの透析ライフを応援したいと考えています。まだまだ勉強中の身ですが、どうぞよろしくお願いいたします。