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重複障害と透析

【第14話】技士が多い透析室~視覚障害のあるミーナの透析室での過ごし方

2026.5.11

文:ミーナ

緑の文字の用語をクリックすると用語解説ページに移動するよ。

今回は、視覚障害のある私が通う病院のことと、透析室での過ごし方についてお話しします。

透析イメージ

通院から穿刺までの流れ

私は火・木・土の午後に透析をしていて、いつも13時頃、病院の車がお迎えに来てくれます。運転手さんとおしゃべりしながら15分程度で病院に到着し、着替えたりトイレに行ったりして、13時30分くらいに透析室に入ります。

院内の誘導は看護助手さんがしてくれて、体重計のところにはいつも若手の技士さんが立っています。体重測定はどうやら新人さんの仕事ということになっていて、たくさんいる患者の顔を覚えるためだと聞きました。体重測定を終えて自分のベッドに行き、タオルを敷いたり枕の位置を調整したりして、穿刺を待ちます。

そして看護師さんが来て今日の体調や必要な薬などを聞かれつつ、血圧を測ってもらいます。機械の準備と穿刺は技士さんです。で、ここで時間があると、ダイアライザを触らせてくれたりします(笑)。

プライミング(準備作業)も終わり、いよいよ穿刺をします。透析の穿刺は一般的な採血や点滴の針よりも太い針を使います。ここがお互いに一番緊張するところではないでしょうか。もうひとつ、この透析室のちょっと変わっている点かもしれませんが、技士長がもともと看護師だったこともあってか教え方が上手いようで、ベテランから若手まで皆さん穿刺が上手なのです。

穿刺が終わると、いよいよ透析が始まります。


透析中の過ごし方

透析中は、本を読んでいるか寝ているか、看護師さんか技士さんとおしゃべりしているかのどれかです。

本は、以前は録音図書を読む(聴く)ことが多かったのですが、機械の音や雑音が気になり、最近は点字の本を読んでいます。といっても、点字の本は分厚くかさばるため、ブレイルセンスという点字PDA(画面に点字が出てくるパソコンのような機械)に電子書籍をダウンロードして持っていくことにしました。機械の大きさはスマートフォンより一回り大きいくらいですので、透析中、お腹の上に置いて片手で触って読むことができます。

私が通う透析室は看護師よりも臨床工学技士の方が多い、というか倍以上いるのですが、点字PDAで本を読んでいたある時、技士さんの一人が「珍しい機械」に引き寄せられるようにふらふらとやってきました。

好奇心旺盛な少年のイメージ

「何それ何それ、見せて見せて」と好奇心旺盛な少年のように色々と聞いてきます。機械の説明を一通りすると、今度は手に持って穴が開くほど眺め始めるのです。するとどこからともなく、また一人また一人とやってきては、みんなで見ています。技士さんは機械好きが多いとは聞いていましたが、本当なんだなぁと改めて実感しました。なお看護師さんは、そこまで熱心には見ていませんでした(笑)。

看護師さんや技士さんとの雑談は、世間話や、透析に関することを教えてもらうことが多いです。また、先天的な視覚障害者は絶対数が少ないこともあり、医療従事者であっても生まれつき目が悪い人に出会ったことがないという人も多いためか、私自身のこと(目の病気や日常生活のことなど)もよく聞かれます。まぁ技士さんとは、目が悪い人が日常で使っている変わった道具や機械の話になることも多いですが…。

また、透析中は毎回必ず医師の回診があるので、そこでわからないことや気になることを聞いたりしています。

そんなこんなで、透析中は、わりと楽しく過ごせています。


透析が終わると…

さて、時間になって音楽が鳴ると、透析終了です。抜針、回収は特に看護師・技士のどちらがやるものだと決められてはいないので、手が空いている人が来ます。その時もやっぱりおしゃべりに花が咲くミーナ。返血と抜針が終わると、回収の時にもダイアライザや回路などを触らせてもらえることがあります。そして時には触察しながら一緒にお片付けすることも…。実はこの時、各ベッドに医療廃棄のごみ箱があるということをはじめて知りました。それから自分では難しい止血確認をしてもらいます。

帰りの体重計のところにもやはり若手の技士さんが立っています。ある日そんな若手の技士さんから聞いたのですが、穿刺が上手くなって一人立ちできるようになると、体重計係を卒業できるのだそうです。そういえば何年か前、穿刺がどうしても苦手だという若手技士さんがいて、その人は2年間くらい体重計に張り付いていたっけ…。結局、透析室は自分には向いていないといってやめてしまいましたが。

さて、帰りの体重測定が終わると、またトイレに行ったり着替えたりして、今度は送迎車を待ち、送迎車に乗ると15分で自宅に到着して、この日の透析が終わるのです。家に着くのはだいたい19時頃です。

こうして見てみると、透析のために実に半日もの時間を使っていることになりますね。それを週3回一生やるとなると気が遠くなるかもしれませんが、私の場合、人にも環境にも恵まれていると思いました。もちろん、病院というところは決して楽しいところでも面白いところでもありませんが、治療を受ける環境を考えることはとても大切なことなのだと思います。


病院選びで大切なこと

ご自身が通っている病院の環境はどうでしょうか? 医師の治療方針、看護師や技士の透析に対する知識や技術、患者さんに向き合う姿勢は、望ましいものとなっているでしょうか…。

病院を選ぶポイントとして、立地や通院のしやすさ、無料Wi-Fi、お弁当などのサービスで決める人も多いかと思いますが、治療方針を決めるのは医師と自分であり、実際に透析を施行するのは看護師や技士ですから、最終的には人が一番大切でしょう。

「医療はサービス業である」という考え方もあり、表面的なサービスが注目されがちですが、病院は、患者さんが健やかな日常生活を維持できるよう支える場所です。そういう意味では、ホテルやレストランのサービス業とは異なり、第一に考えなければいけないのは「治療の質」であり「患者と向き合うスタッフの姿勢」なのだと思います。

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ミーナ

ミーナ
1990年9月生まれです。生まれつき、先天性緑内障という目の病を持っており、幼い頃から弱視で現在はほとんど見えていません。腎臓は2017年に急な体調不良から緊急透析導入となり、今に至ります。原因は不明です。視覚と腎臓の重複障害ですが、日々楽しく生活しています。
趣味は読書で、4時間の透析中に1〜3冊くらいは読んでしまうかなりヘビーな読書家です。

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