基礎知識腎臓病・透析に関わるすべての人の幸せのための じんラボ
日本の慢性透析療法の現況
2013.4.1
緑の文字の用語をクリックすると用語解説ページに移動するよ。
じんラボ をフォローして最新情報をチェック!
施設数と患者数
2011年末 | 対前年増 | ||
---|---|---|---|
施設数 | 4,205施設 | 39施設 | 0.9% |
人工腎臓台数 | 121,835台 | 3,213台 | 2.7% |
慢性透析患者数 | 304,592人 | 6,340人 | - |
導入患者数 | 38,893人 | 1,381人 | 3.7% |
死亡患者数 | 30,831人 | 1,949人 | 6.7% |
人口100万人対比 | 2,383.4人 | 54.3人 | - |
2011年末、患者数が初めて30万人を超えました。
国民419.6人に一 人が透析患者です。人口対比率は年々増加しています。
透析治療の形態
昼間 | 253,722人 | 83.3% |
---|---|---|
夜間 | 40,917人 | 13.4% |
在宅血液 | 327人 | 0.1% |
腹膜透析 | 9,626人 | 3.2% |

昼間透析は前年比0.8%増、夜間透析は0.7%減でした。
在宅血液透析患者は前年より50人増加しました。
腹膜透析患者は前年より147人減少しました。
都道府県別患者数
都道府県 | 患者数 | 都道府県 | 患者数 | 都道府県 | 患者数 | 都道府県 | 患者数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
北海道 | 14,602人 | 東京都 | 29,135人 | 滋賀県 | 2,862人 | 香川県 | 2,531人 |
青森県 | 3,335人 | 神奈川県 | 18,621人 | 京都府 | 6,023人 | 愛媛県 | 3,609人 |
岩手県 | 2,918人 | 新潟県 | 4,867人 | 大阪府 | 22,176人 | 高知県 | 2,272人 |
宮城県 | 4,879人 | 富山県 | 2,363人 | 兵庫県 | 12,728人 | 福岡県 | 13,737人 |
秋田県 | 1,882人 | 石川県 | 2,678人 | 奈良県 | 3,214人 | 佐賀県 | 2,136人 |
山形県 | 2,433人 | 福井県 | 1,724人 | 和歌山県 | 2,846人 | 長崎県 | 3,840人 |
福島県 | 4,564人 | 山梨県 | 2,229人 | 鳥取県 | 1,436人 | 熊本県 | 5,951人 |
茨城県 | 7,265人 | 長野県 | 4,693人 | 島根県 | 1,464人 | 大分県 | 3,829人 |
栃木県 | 5,548人 | 岐阜県 | 4,547人 | 岡山県 | 4,546人 | 宮崎県 | 3,641人 |
群馬県 | 5,307人 | 静岡県 | 9,898人 | 広島県 | 7,202人 | 鹿児島県 | 5,189人 |
埼玉県 | 15,682人 | 愛知県 | 16,525人 | 山口県 | 3,424人 | 沖縄県 | 4,208人 |
千葉県 | 13,259人 | 三重県 | 4,077人 | 徳島県 | 2,697人 | 合計:304,592人 |
1位:東京都、2位:大阪府、3位:神奈川県の順になっています。
透析期間別および性別
透析期間 | 男性 | 女性 | 不詳 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|
5年未満 | 92,641人 | 48,134人 | 3人 | 140,778人 | 47.8% |
5年以上10年未満 | 46,739人 | 27,970人 | 0人 | 74,709人 | 25.3% |
10年以上15年未満 | 22,112人 | 15,336人 | 0人 | 37,448人 | 12.7% |
15年以上20年未満 | 11,067人 | 8,414人 | 0人 | 19,481人 | 6.6% |
20年以上25年未満 | 5,667人 | 4,934人 | 0人 | 10,601人 | 3.6% |
25年以上 | 6,393人 | 5,409人 | 0人 | 11,802人 | 4.0% |
男性がいずれの透析期間でも女性より多いですが、男女差は長期透析になるほど小さくなっています。
25年以上の透析患者は前年より569人増加しました。
原疾患と平均年齢
原疾患 | % | 平均年齢 |
---|---|---|
糖尿病性腎症 | 36.6% | 66.73 |
慢性糸球体腎炎 | 34.7% | 65.37 |
腎硬化症 | 7.9% | 73.61 |
多発性嚢胞腎 | 3.4% | 64.13 |
慢性腎盂腎炎 | 1.0% | 64.40 |
悪性高血圧 | 0.8% | 63.74 |
ループス腎炎 | 0.8% | 59.62 |
急速進行性糸球体腎炎 | 0.7% | 67.18 |
移植後再導入 | 0.7% | 55.04 |
妊娠腎/妊娠中毒症 | 0.6% | 62.63 |
その他腎炎 | 0.4% | 59.56 |
痛風腎 | 0.4% | 66.38 |
腎・尿路腫瘍 | 0.3% | 71.42 |
その他 | 11.7% | 62.07 |
ずっと1位だった慢性糸球体腎炎を抜いて、糖尿病性腎症が1位になりました。
前年に比べ、糖尿病性腎症は0.7%増、慢性糸球体腎炎は1.5%減でした。
死亡原因(上位5つ)
死因 | % |
---|---|
心不全 | 25.4% |
感染症 | 24.4% |
悪性腫瘍 | 11.6% |
脳血管障害 | 5.3% |
不全の割合は前年に比べ0.5%増、感染症が1.9%減で1位と2位が逆転しました。
海外との比較
DOPPS(Dialysis Outcomes & Practice Patterns Study)
〜血液透析の治療方法と患者の予後についての調査より
※DOPPSは世界12か国/340施設、参加人数2万人規模の調査です(2002年)。
DOPPSから得られた日本の特徴は以下の通りです。
- 低い死亡率
- 高いQOL、栄養指標
- 高い体重増加率
- 低い入院率:長い入院期間
- 低い合併症罹患率
- 高い透析治療の遵守(透析スキップ率:0.6%/月)
- 医師による高い患者診療頻度(透析毎:73%) 米国は極めて低い
年間死亡率は欧州:17.1%、米国:23.5%に対し日本:6.6%となっています。
しかし、体重増加率は欧州:11%、米国:16.8%に対し日本:34.5%とかなり高くなっています。
日本においてさらに検討を要する治療事項としては、以下の通りです。
- 標準化透析量が低い患者(single-pool Kt/V 1.2以下)の割合が高い(32%)
- 低い血流量(平均195ml/min)
- 低いヘモグロビン濃度(中央値9.8g/dl)
- 少ないEPO投与量(95IU/kg/週)
- 入院期間が長い患者(30日以上)の割合が高い(19.7%)
- 透析治療間の体重増加患者(5.7%以上)の割合が多い(34%)
- B型肝炎陽転率が高い
- 身体面は高いが精神面のQOLスコアが低い
この記事はどうでしたか?
基礎知識内検索
- 腎臓病全般
- 腎がんを知る
- 制度
- お役立ち情報(その他)